〒321-0904
栃木県宇都宮市陽東4-1-2

028-664-3800

トップページ医院紹介スタッフ紹介診療案内交通案内初診の方へ
 

猪岡内科コラム

栃木県,宇都宮市,糖尿病,食事指導,管理栄養士 【猪岡内科】

インスタグラム

求人案内

トップページ»  猪岡内科コラム»  帯状疱疹»  帯状疱疹とワクチンについて①

帯状疱疹とワクチンについて①

帯状疱疹とワクチンについて①

帯状疱疹とワクチンについて①
2026年5月号
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
季節の変わり目は、風邪などで体調を崩し、免疫力が低下しやすくなります。そんな時に注意したい病気の1つに、帯状疱疹(たいじょうほうしん)があります。
高齢者向け(対象年齢あり)に帯状疱疹の定期予防接種が始まり、自治体より助成を受けられるようになりました。
今月は「帯状疱疹とワクチン」について、来月では「帯状疱疹ワクチンの研究でわかってきていること」を解説していきます。
 
【帯状疱疹とは?】
帯状疱疹とは小さいころにかかる「水ぼうそう」と同じウイルスが原因で起こります。初めて感染した時には水ぼうそうとして発症します。
多くの人が子供のころにかかり、感染して熱がでると発疹が出て水ぶくれになりますが、1週間程度で治ります。
しかし、ウイルスは治った後も体の神経節といわれる部分に潜んでいます。
健康で免疫力が強い間はウイルスの活動が抑えられていますが、高齢になり、病気などによって免疫力が下がった時に、再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し「帯状疱疹」として発症します。

【帯状疱疹の症状】
体の片側だけ、ピリピリとした痛みが数日続いた後に、赤い発疹がでて水ぶくれになります。
場所は胸~背中わき腹にかけて発疹が出る方が多いですが、腰やお腹、お尻、目の周辺、首、肩などウイルスの潜んでいる神経節のあたりに症状が出るのが特徴です。
痛みの程度は人によりますが、高齢になると「電気が走るような」「焼けるような」「針で刺されるような」強い痛みが出てしまうこともあります。
中には痛みが残ってしまう方もいて、それは高齢になるほど痛みが続いてしまうといわれています。

 
【帯状疱疹の治療】
帯状疱疹は、発疹が出てから 72時間以内に抗ウイルス薬を飲むことが大切です。
早い段階で治療を始めることで、症状の進行を抑え、痛みを軽くする効果が期待できます。
また、帯状疱疹では皮膚の症状が治ったあとも神経の痛みが残ってしまう
「帯状疱疹後神経痛」が問題になることがあるので、発症早期に治療を行うことで、この神経痛が残るリスクを減らすことにもつながります。
 
もしも、「ピリピリする痛みのあとに片側だけ発疹が出てきた」場合には、できるだけ早めに医療機関を受診してくださいね。
 
【発症の多い年代】
宮崎県のデータでは80歳までに3人に1人は帯状疱疹を発症するといわれています。
下のグラフのように50歳を超えると徐々に帯状疱疹を発症する人が増えてきて、60~70歳代ではさらに急増します。
これは、糖尿病や高血圧といった慢性疾患を持つ方が増えて、免疫力が落ちてくるためです。


宮崎県の皮膚科学会のデータより引用
【帯状疱疹の予防】
帯状疱疹を予防するには予防接種が有効です。
そして、2025年から予防接種が「任意→定期接種」へと変わり各自治体から
助成が出るようになりました。(次号で解説します。)
帯状疱疹は高齢になるほど発症や合併症(特に帯状疱疹後神経痛)が増えるため自治体では対象年齢の方に対して 積極的に予防接種を受けることを推奨しています。
予防接種には2種類あるので、その違いについて解説していきます。
 
【帯状疱疹ワクチンの種類と特徴】
帯状疱疹の予防には①生ワクチン(Zostavax®)、② 組換え不活化ワクチン(Shingrix®) の2種類のワクチンがあります。
 
生ワクチン(Zostavax®)
生ワクチンは、弱くした生きたウイルスを使って体に抗体を作らせるタイプのワクチンです。
健康で免疫力が十分な高齢者向けで、1回の接種で済みます。
予防効果は約50%、効果は5年ほど続きますが、免疫力が低い方は接種できない場合があります。
 
組換え不活化ワクチン(Shingrix®)
一方、組換え不活化ワクチンは、ウイルスそのものは入っておらず、ウイルスの一部だけを使った新しいタイプのワクチンです。
高齢者でも安全に接種でき、2回の接種(2〜6か月間隔)が必要です。
予防効果は90%、効果は10年以上続くといわれています。
生ワクチンより効果が強く、長持ちするのが特徴です。
また、最近の研究では、認知症リスクを減らす可能性も報告されています。
(Nature Medicine, 2024 次回詳しくまとめます)。
 
【副反応について】
生ワクチン(Zostavax®)
生ワクチンは、50~60%の方に接種部位の赤みや腫れ、痛み、かゆみが出ることがありますが、ほとんどの方は軽く、数日で治まります。
発熱や倦怠感などの全身症状は数%、重篤な副反応はまれです。
 
組換え不活化ワクチン(Shingrix®)
組換え不活化ワクチンは、接種部位の痛みや赤み、腫れ、かゆみは70〜80%の方に見られます。
全身症状としては倦怠感、頭痛、発熱、寒気、関節痛などがあり、特に2回目の接種後は10%の方が感じています。しかし、これらは通常数日で治まり、日常生活に大きな影響はほとんどありません。
重篤な副反応はごく稀で高齢者や免疫力が弱い方でも安全に接種できます。
 
両方のワクチンに共通することは、副反応は「ワクチンが体に反応して抗体を作っているサイン」と考えてOKで、ほとんどの症状は軽く、数日で改善します。
しかし、接種後に症状が強く出た場合は、すぐに医療機関に相談してください
 
次号では「帯状疱疹ワクチンと認知症の予防効果」について最新の研究と
自治体からの助成について詳しく解説していきます。
 

2026-05-07 09:41:03

帯状疱疹

 
ページトップへ