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春の花粉症対策 ~症状の仕組みと予防法~

春の花粉症対策 ~症状の仕組みと予防法~

春の花粉症対策 ~症状の仕組みと予防法~
2025年4月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
春になると、「くしゃみが何度も出たあと透明な鼻水が止まらない」
「鼻づまりで息がしにくい」「目のかゆみや充血、のどや耳のかゆみ」
こんな症状に悩みませんか?
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に対して体の免疫が過剰に反応することで起こるアレルギー疾患ですが、今の季節にこれらの症状が出る場合は花粉症
の可能性があります。
 
【花粉症は増えている?】
日本では花粉症の患者数は年々増加しており、現在では国民の約3〜4割がスギ花粉症を持つとも報告されています。

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会によると、スギ花粉症の有病率は
1998年→16.2%、2008年→26.5%、2019年→38.8%とどんどん増えています。
 
花粉症はなぜ増えているのでしょうか?
花粉症が増えている理由には、いくつかの要因が関係していると考えられています。
スギ林の増加
戦後、日本では木材確保のためにスギが多く植えられました。
現在その多くが成熟期を迎えており、大量の花粉を飛ばすようになっています。
そのため、春に飛散する花粉量は以前より増えていると考えられています。
最近は、花粉を出しにくい『無花粉スギ』も開発・植栽されていますが、まだ林全体のごく一部です。
花粉量全体を大きく減らすには数十年の時間がかかる見込みです。
 
大気汚染の影響
自動車の排気ガスやPM2.5、黄砂などの大気汚染物質は、鼻や気道の粘膜に炎症を起こしやすく、アレルギー反応が出やすくなります。
さらに、研究によりPM2.5や排気ガスが付着した花粉の表面構造が変化し、ヒスタミンの放出が増えることが示されています。
そのため、大気汚染+少量の花粉でもアレルギーの症状が出やすくなります。
 
生活環境の変化(衛生仮説)
近年、生活環境が清潔になったことで、子どもの頃に感染症に触れる機会が減ったことも、アレルギー増加の一因と考えられています。
これは「衛生仮説」と呼ばれ、イギリスの疫学者 David P. Strachan によって提唱されました。
 
幼少期に感染症や微生物に触れる機会が少ないと、免疫システムが「過剰反応」しやすくなり、その結果、花粉など本来無害な物質に対してアレルギー反応を起こしやすくなるという説です。
 
【どうして花粉症が起こるの?】
花粉が鼻や目の粘膜に付くと、体はこれを『異物』と判断して免疫システムが反応します。
特に肥満細胞という免疫細胞が活発になり、ヒスタミンやロイコトリエン、プロスタグランジンなどの炎症物質を放出します。
これらの物質が作用することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れます。


さらに、体内には花粉に対する抗体(IgE)が残るため、次のシーズンでも同じように症状が出やすくなります。
【症状悪化防止のための花粉対策】
生活の中でできるだけ「花粉を避ける」ことが、症状の悪化を防ぐポイントです。
 
●外出時の工夫
花粉は衣服や髪に付着して家の中に持ち込まれることがあります。
・不織布マスクや花粉用メガネで鼻や目を守る
・帽子やスカーフで髪や服への花粉付着を減らす
花粉シーズンの服は、ニットやフリースなどの毛羽立った素材よりも、ポリエステルやナイロンの表面が滑らかな服がおすすめです。花粉が付きにくく、家に持ち込む量を減らせます。帰宅時には玄関で服をはたくことも大切です。
 
●室内環境の工夫
室内に持ち込まれた花粉を減らすことが、花粉症対策の基本です。
洗濯物は室内干しで、衣服に付いた花粉を家に持ち込まない
掃除機で床や家具の花粉を吸い取り→濡れたモップや布で拭くと効果的
空気清浄機を使用して空気中の花粉を減らす
家の換気は花粉の散布が少ない早朝がお勧めです。また、花粉の粒子はとても小さいので、掃除機は強よりも弱の設定にすると花粉が舞い上がりにくいです。
また、洗濯物を室内干しして加湿すると花粉の舞い上がりを防ぐことができます。
 
【花粉症の薬】
飲み薬(抗アレルギー薬)
花粉が鼻や目に付くと、体内でヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症物質が放出され、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状が出ます。抗アレルギー薬はこれらの炎症物質の働きを抑えることで、症状を和らげます。
 
抗アレルギー薬は「効果と眠気」が比例していることが多いです。
ヒスタミンは炎症物質でもありますが、脳の覚醒を保つ働きもしているためです。
薬により効き具合の個人差もあるため「薬の効きが悪いな」「日中の眠気が強いな」と思ったら、ほかの薬を試すことも可能なので医師にご相談ください。
1日1回の薬は、寝る前に飲むと日中の眠気を抑えることができます。

 
点鼻薬
鼻づまりや炎症を抑える薬です。
ステロイド系点鼻薬は鼻の粘膜の炎症を抑え、くしゃみ、鼻水・鼻づまりの症状の悪化を防ぎます。
 
点眼薬
目に付いた花粉によるかゆみ・充血・涙目を抑える薬です。
「まぶたに塗るアイクリーム」「従来の目薬」の2つのタイプがあり、どちらも痒みの原因のヒスタミンを抑える働きをします。
アイクリームは皮膚に浸透して粘膜に作用し痒みを抑えるので1日1回で長持ちします。目薬をたくさん使う方、点眼が苦手な方、瞼まで痒い方向けです。
目薬は1日数回必要ですが、スカッとしたい方向けです。
 
【まとめ】
花粉症は、花粉に対して体が敏感に反応して、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが出る春の悩みです。
症状を和らげるには、マスクや眼鏡、服装や室内の工夫で花粉を避けること、そしてお薬を上手に使うことが大切です。
毎年症状が出やすいので、少し早めの対策で、春を少しでも快適に過ごせるようにしましょう。
 

2026-05-07 09:34:27

花粉症

 
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