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猪岡内科コラム

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リバウンドの正体とそれを防ぐ2つのカギ

リバウンドの正体とそれを防ぐ2つのカギ

リバウンドの正体とそれを防ぐ2つのカギ
 
2026年3月号
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
 
前回まで新しい糖尿病薬の「マンジャロ」について、従来薬のGLP-1製剤やインスリンとの違いと特徴・副作用・値段について連載してきました。
マンジャロはGLI-1、GIPの両方に作用するため「血糖値を下げる作用」のみでなく、「食欲も抑えるため体重も落ちやすい」薬剤です。
そのため肥満の治療薬としても広く使われるようになりました。
また週に一度の注射で効果を発揮するため、患者さん自身、お薬の管理がしやすいという特徴もあります。
一方で、マンジャロをやめたら体重が元に戻ってしまう、または、元の体重よりも増えてしまうという症例も報告されて注目が集まっています。
 
今回はそのような「よくある悩みと誤解」について、なぜリバウンドが起こるのかを最新の研究から説明し、医療的に有効な運動と食事の戦略を紹介します。
 
なぜ体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまうのか】
先述の通り、マンジャロなどのGLP-1・GIP受容体作動薬を使うと、体重減少効果が期待できますが、このとき体で起きているのは「脂肪だけが減っている」状態ではありません。
人の体はエネルギーが足りなくなると、脂肪と同時に筋肉も分解して使うという仕組みをもっています。
これはマンジャロ特有の作用ではなく、食事制限だけで体重を落とした場合でも、同じことが起こります。
アメリカの栄養学会やハーバード大学の研究では、
①食事制限のみの減量
②GLP-1受容体作動薬による減量
①②いずれの場合も、体重減少の約2〜3割は筋肉の減少であることが示されています。
つまり「体重が減った = 脂肪だけが減った」とは限らないのです。

 
なぜ筋肉も一緒に落ちてしまうのでしょうか。
食事制限をしたり、マンジャロで食欲が落ちて食事量が減ると、体はそれを
「飢餓に近い状態」と判断します。
すると、体は生き残るために次のような反応を起こします。
・エネルギー消費を減らす
・使われやすい筋肉を分解してエネルギーにする
・基礎代謝を下げる
 
少しのエネルギーでも多く生きられるようにというエコモードになろうとします。筋肉は、何もしなくても多くのエネルギーを消費するため、体はエネルギー不足になると筋肉を減らそうと働きます。
 
この状態でマンジャロをやめたり、食事量が元に戻るとどうなるでしょうか。
①食欲は戻る ②でも筋肉は減ったまま となります。

この状態のまま、食事量が増えて元の体重に戻った時には、同じ体重でも筋肉が減って脂肪が増えている
「代謝の悪いからだ」になっています。
このようにリバウンドすると以前よりも太りやすい状態になっています。
 
【マンジャロが悪いわけではない】
ここで大切なのは、「マンジャロが筋肉を減らしているわけではない」という点です。マンジャロは、①食欲を抑える②血糖を改善する③体重減少を助ける
働きのあるとても有効な治療薬です。

マンジャロでも食事制限でもエネルギー不足が起きれば、運動をしない限り筋肉も一緒に減ってしまうので筋肉を守る対策を一緒に行うことが大切です。
 
【筋肉を守る2つの鍵】
筋肉を落とさないようにする2つのカギを紹介します。
今月号で一番のメインになるのでぜひみなさん意識してみてください。
 
運動(筋トレと有酸素運動)
大きく分けて筋トレと有酸素運動がありますが体重を落とす際に筋肉量をできるだけ守ることが、リバウンドを防ぎ、健康的な体重管理につながります。
●筋トレの役割
筋トレは、筋肉に刺激を与えて筋タンパク合成を促し、筋肉量低下を防ぎます。★ポイント  週2〜3回、1回20〜30分、大きな筋群を中心に
スクワット(自重から) 腕立て伏せ(膝つきでもOK) プランク

運動強度は「少し息が上がるけれど会話ができる・翌朝軽い筋肉痛がある」
くらいが目安です。
 
●有酸素運動の役割
有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)は脂肪燃焼をサポートします。★ポイント 週150分以上(例:30分 × 5日、50分×3日)
筋トレと組み合わせることで脂肪を落としながら筋肉を守る効果が高まります。
 
 
タンパク質をしっかりとる
筋肉の材料はタンパク質です。
食欲が減り食事の量が減ったり、食事制限でタンパク質が不足すると、
筋肉はさらに分解されやすくなるなり、運動しても筋肉が守られにくくなります。
減量中こそ、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を意識してとることが重要です。
「体重1kgあたり1g前後」を目安に、毎食少しずつとることが勧められています。
★タンパク質をこまめに摂る毎食のポイント
●朝食→牛乳、ヨーグルトをプラス
ギリシャヨーグルト 100〜150g →タンパク質10〜15g
牛乳200ml → タンパク質約6〜7g
豆乳200ml → タンパク質約7g
 
●昼食→うどんに卵とじをプラス
卵1個→タンパク質約6g
ほうれん草・ネギ・きのこを足すと鉄分・食物繊維も増え栄養バランスもアップ
 
●夕食→サラダには蒸し鶏をプラス
鶏むね肉 50g→タンパク質約11g
 

これでタンパク質プラス20~30gを意識した食事になります。
 
【まとめ】
体重が減っているときは筋肉を守ることがとても大切です。
①筋トレ ②有酸素運動 ③食事にタンパク質をプラスの3つのポイントを意識しましょう。「暖かい日は外に出る」などできることから始めていきましょう。
 
 

2026-03-15 13:05:22

糖尿病

 
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