今年のインフルエンザの流行
2025年12月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
はじめに
前回まで、糖尿病の新しい治療薬「マンジャロ」について連載してきましたが、今年はインフルエンザの流行が例年より大幅に早く、地域でも学級閉鎖が相次いでいます。そのため今月は臨時で「インフルエンザ特集」をお届けします。
糖尿病の方にとって、発熱や感染症は血糖値が上がりやすくなるだけでなく、食欲低下により低血糖を起こすこともあり、"いつもの通りではない状況=シックデイ" の対応が必要となることがあります。体調を崩したときに慌てないよう、この機会にしっかり予習しておきましょう。
次号では「糖尿病のシックデイ対応」について、2月号では元に戻って
「マンジャロ③ 副作用と薬価」について詳しく解説します。
【インフルエンザの流行状況】

上のグラフはインフルエンザの流行状況を表しています。
今年のインフルエンザは、例年より
1〜2か月早い流行 となっています。
通常は12月頃から増え始め、1月〜2月にピークを迎えますが、今年は秋から急激に感染が拡大しました。
特に関東では、東京で流行警報が出され、栃木県でも学校で学級閉鎖が相次いでいます。同じように、当院でも感染者が急増している印象です。
A型インフルエンザが落ち着いてくるとB型が流行する"二峰性の流行"がよく見られるため、まだ接種を受けていない方は早めのワクチン接種をおすすめします。
【宇都宮市のインフルエンザワクチン助成】
宇都宮市では以下の方を対象に補助があります。
① 宇都宮市在住の65歳以上の方
② 接種時に60〜64歳で、特定の障がい(心臓・じん臓・呼吸器の高度障害、またはHIVによる免疫障害)を有する方(身体障がい者手帳1級程度)
③ 満1歳児
助成額は①・②の方→
自己負担 1,500円、③の方→
1,000円の助成です。
※その他の市町村にお住いの方は、お住まいの自治体でご確認ください。
【感染症の流行】
栃木県ではインフルエンザ以外にもマイコプラズマ肺炎、溶連菌、RSウイルス感染症が流行しています。
特にマイコプラズマ肺炎は去年の2倍近く流行しています。
インフルエンザと症状は似ていますが、乾いた咳が長引くのが特徴です。
他にも県内の流行マップをみると、溶連菌、RSウイルスなども流行していますので、感染対策をしっかりとしましょう。
【感染対策の基本】
多くのウイルス感染症は、以下の2つの経路で広がります。
1. 飛沫感染
感染者の咳・くしゃみ・会話で飛んだ飛沫を吸い込んで感染します。学校や職場など人が集まる場所で広がりやすいのが特徴です。
●対策
・症状のある人は必ずマスクを着用
・咳エチケット(口元を袖で覆うなど)
・看病時は双方のマスク着用が望ましい
健康な人のマスク効果は限定的と言われますが、飛沫を浴びるリスクや手指からの接触リスクを減らす効果があります。
2. 接触感染
くしゃみや咳で手に付いたウイルスが、ドアノブ・つり革・スイッチなどに付着し、それを触れた人の手を介して口・鼻の粘膜から感染します。
●対策
・手洗い(石けんと流水で15秒以上)
・アルコール消毒(60%以上)
冬は乾燥でウイルスが長生きしやすくなるため、日頃からのこまめな手洗いがとても効果的です。
【自宅に感染者がいる場合】
家庭内での感染拡大を防ぐポイントは次の通りです。
●湿度管理
ウイルスは乾燥状態で空気中に漂いやすくなります。
・室内湿度
50〜60% を目安に保ちましょう。
・加湿器がない場合は濡れタオルの室内干しも有効です。
特に暖房を使用しているときは乾燥しやすいので、加湿器とセットで使用すると良いでしょう。
●タオルを分ける
手洗い後のタオルを共有すると接触感染しやすくなるため、必ず別々のタオルを使用しましょう。
●換気
冬は閉め切りになりやすいですが、ウイルス濃度を下げるために定期的な換気が重要です。
【発熱したと思ったら(受診の流れ)】
猪岡内科では院内感染を防ぐため、発熱のある方には以下の対応をお願いしています。
- 院内へ入らず、車内からお電話(028-664-3800)ください。
- 診察券をご準備のうえ、車内でマスクを着けて待機してください。
- 症状をお伺いするので、電話がかかってくるのをお待ちください。
- 医師・スタッフが車まで伺い、検査・診療を行います。
糖尿病の方は、体調不良の時には血糖値が大きく変動しやすいので、早めに相談してくださいね。
次回は
「糖尿病のシックディ」についてまとめたいと思います。
2025-12-09 10:06:09
インフルエンザ