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転ばぬ先のやわらか運動! ~柔軟性・バランスのすすめ~

転ばぬ先のやわらか運動! ~柔軟性・バランスのすすめ~

転ばぬ先のやわらか運動! ~柔軟性・バランスのすすめ~
2025年9月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
「最近、ちょっとした段差でつまずくことが増えた気がする」と感じたことはありませんか?
年齢を重ねると筋力や柔軟性、バランス感覚が少しずつ低下していくのは自然なことですが、糖尿病がある方はそれがより進みやすいといわれています。
特に注意が必要なのが、糖尿病の三大合併症のひとつである「神経障害」です。
足のしびれや感覚の低下があると、ちょっとした段差にも気づきにくくつまずきや転倒のリスクが高くなります。
 
そのため、アメリカの糖尿病学会(ADA=American Diabetes Association)
でも「転ばない体づくり」のために「柔軟性・バランス力を高める運動」の継続が勧められています。
 
【ADAの運動5本柱~2022 ADAスタンダードより~】
① 有酸素運動(Aerobic Exercise)
→ 中~強度の運動を週150分以上(例:ウォーキング、サイクリングなど)
② 筋力トレーニング(Resistance Exercise)
→ 週2~3回、大筋群の推奨(太もも・お尻・胸・背中など)
③ 座りすぎを避ける(Reduce Sedentary Time)
→ 30分に1回は体を動かすことが望ましい
④ 柔軟性運動(Flexibility Exercise)
⑤ バランストレーニング(Balance Exercise)
 
なかでも「④柔軟運動 ⑤バランス運動」は運動習慣のない方、ご高齢の方にとって始めやすく安全性の高い運動として推奨されています。

 
●柔軟性運動(Flexibility Exercise)について
関節や筋肉が硬くなると、日常生活での動作が制限されたり、つまずき・転倒リスクが高まることがあります。
柔軟性を保つことで、関節の可動域が広がり、階段の昇降・洗濯物干し・しゃがむ動作などがスムーズになります。
また、筋肉がかたくなっていると関節に負担がかかりやすく、膝や腰の痛みの原因にもなります。ストレッチをすることにより痛みの緩和やケガの予防も期待できます。
 
柔軟運動をウォーミングアップとして取り入れることで、運動中のケガを防ぐ効果もあり、他の運動(有酸素や筋トレ)との組み合わせによって血糖コントロールの改善にもつながると報告されています。(ADA 2022, ACSM 2021より)。
推奨頻度:週2~3回
おすすめのタイミング:お風呂上がりなど、筋肉が温まっているとき
 
●バランストレーニング(Balance Exercise)について
バランス能力とは、身体の重心をコントロールし、安定した姿勢を保つ力のことです。
この力が低下すると、ふらつきや転倒が起こりやすくなります。
高齢になると、加齢による筋力の低下に加えて、糖尿病による神経障害や足の感覚障害があることで、よりバランスを崩しやすくなります。
実際に、足底の感覚が鈍くなっている糖尿病患者では、転倒リスクが2倍近くなるという報告もあります(Diabetes Care, 2019)。
バランス運動を行うことで、筋肉や体幹が鍛えられ、転倒予防に役立つだけでなく、他の運動(筋トレや有酸素運動)をより安全に行うことにもつながります。
推奨頻度:週2~3回
室内の手すりやテーブル、いすの近くで行いましょう。
 
【柔軟運動とバランス運動の相乗効果】
この2つの運動を組み合わせることで、
「転びにくい体づくり」「日常生活の動作のしやすさ」「他の運動効果の向上」
といった複数のメリットが得られます。
特に、股関節の柔軟性が高まると歩幅が広がり、有酸素運動の効率がアップしたり、バランス力がつくとスクワットや筋トレも安定して行いやすくなります。
 
家でもできる!やさしい柔軟&バランス運動


柔軟運動(週2〜3回)
①首回し・肩回し
方法→ 肩に手をおいて、肘で大きく円をえがく
 ように回す。
    前まわし・後ろ回しを各5回ずつ
 
②背中の丸め伸ばし運動
方法→ ①椅子に座って背中を丸めておへそを
見る(息を吐く)
②背中をそらして胸を開く(息を吸う)
呼吸に合わせてゆっくり5回繰り返す。
 
③開脚ストレッチ
方法→ 床に座って軽く足を開く。
背筋を伸ばして、息を吐きながら
体を前に倒す。
痛みがなければ20秒キープしましょう。
お尻の下に座布団を敷くと姿勢が安定しやすいです。
 
 
 
▶ バランス運動(各30秒〜1分、週2〜3回)


①~③までのトレーニングは、靴下は脱いだ状態で安全な場所で行います。
①片足立ち(壁やイスに手を添えて):体幹強化
方法→ 壁や椅子の背に手を添えて立ちます。
呼吸を止めずに左右30秒ずつキープしましょう。
慣れてきたら、手を片手→手放しへと
ステップアップしましょう。
 
②かかと歩き・つま先歩き:足の筋力アップ
方法→ 5~10歩ずつ前後に歩きます。
場所は廊下や壁沿いがおすすめです。
 
③クッションの上で立つ
方法→ 少し厚みのあるクッションの上に
両足で立ちます。
    滑りにくい素材のものを選びましょう。
最初は両手を椅子や壁に手を添えて、
慣れてきたら片手、手放しでバランスを
取ります。
 
【まとめ】
柔軟運動とバランス運動は、
「 転倒予防」「運動効果の向上」「血糖改善作用」
といった面で非常に重要な役割を担っています。
“室内でできる” “短時間でできる”ということもこの時期の大きなメリットなので、運動の習慣がない方は、柔軟運動・バランス運動から始めてみましょう。

2025-09-12 10:12:18

運動療法

 
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