体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油のレシピと豆知識~
2025年1月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
新しい年が始まりました。みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
先月号でえごま油、あまに油の市販品の実際について特集したので今月は雑学コラムとレシピについて載せたいと思います。
【αリノレン酸のコラム】
αリノレン酸は魚油ではなく、限られた植物の種子(亜麻、えごまなど)に多く含まれる脂肪酸で、その内の1割が体の中でDHA・EPAに変化することで知られています。

その1割という数字は低いように感じますが、αリノレン酸からEPA DHAへの変換について調べてみると次のような見解がありました。
・EPA、DHAには、身体に必要な適切量が変換されるという説
・日本人は遺伝子の問題で、不飽和化酵素の働きが弱いため、α-リノレン酸からEPA、DHAに変換される量は少ないのではないかという説
日本は周囲を海で囲われています。
昔の生活の中では海産物を食べる機会が多く、EPA・DHAに関しては、α-リノレン酸から変換されなくても、摂取することが可能でした。
そのため、変換能力が衰えたと考えている方もいました。(憶測です)

はっきりとは、まだ解明されていませんがとても興味深いですね。
えごま油、あまに油のそれぞれのおすすめレシピを紹介します。
【えごま油を使ったレシピ】
和風ツナトマトサラダ
●材料 2人分
中玉トマト 1つ(ミニトマト 5つ)
きゅうり1本
ツナ缶 1つ
めんつゆ 適量
えごま油 小さじ2杯
- きゅうりは塩もみして水気をよく切る
- トマトを一口サイズにしてツナ、きゅうりとあえる
- めんつゆえごまあぶらで味を付けたら完成

【あまに油を使ったレシピ】
あったか 具だくさんコンソメスープ
●材料 2人分
キャベツ 1つかみ
人参 1/4本
ウインナー 2本
コンソメ1粒
水 適量
あまに油 小さじ2杯
- キャベツ、ニンジン、ウインナーは1口サイズに切ります。
- コンソメ1キューブと10分ほど一緒に煮込みます。
- 器によそったら、食べる前にあまに油をたらして完成

【ポイント】
オメガ3は熱に弱いです。えごま油やアマニ油に含まれる「α-リノレン酸」は熱に弱く酸化しやすいため、食事に取り入れる際は一緒に煮込んだりせずに、
食べる直前に垂らすことでより多く吸収することができます。
サラダやスープなどにそのままかけて食べるのがおすすめです。
【あぶらと相性のいい野菜】
えごま油とあまに油と相性の良い野菜についてお伝えします。
これらの野菜は、油の風味を引き立て、栄養価を高める組み合わせとしておすすめです。
えごま油との相性が良い野菜
- ほうれん草:えごま油と組み合わせることでビタミンKや鉄分の吸収を助けます。えごま油の軽いナッツのような風味が、ほうれん草のほろ苦さとよく合います。
- ブロッコリー:ビタミンCと食物繊維が豊富なブロッコリーは、えごま油の軽い風味とバランスが良く、栄養価を補完し合います。
- トマト:トマトの酸味がえごま油のナッツの風味を引き立てます。また、トマトには抗酸化作用のあるリコピンやビタミンA,Eが含まれているので、油と一緒に食べることで吸収がアップして抗酸化作用に働きかけます。
アマニ油との相性が良い野菜
- ケール:ケールはビタミンA、C、Kが豊富で、アマニ油のややスパイシーな風味と相性が良いです。
- 人参:人参はβカロテンが豊富で栄養素の吸収を助けます。
また、ニンジンの甘みがアマニ油の独特な風味を和らげてくれるのでスープやサラダやスムージーに加えるのもおすすめです。
- アボカド:アボカドのクリーミーな食感とアマニ油のナッツ風味が絶妙にマッチします。アボガドには抗酸化作用のあるビタミンEが含まれているのでオメガ3脂肪酸と健康脂肪の組み合わせで、心血管系の健康に良いとされています。

【えごま油、アマニ油の摂取目安】
1日に必要な「オメガ3 」の目安は
1日小さじ1杯です。
これは魚で例えるとアジ約3匹分に相当します。毎日魚を食べることが理想ですが、魚を食べられないときはえごま油やアマニ油などの健康オイルでオメガ3を補ってみましょう。
【まとめ】
・えごま油あまに油からとれるαリノレン酸の約1割が体の中でEPAに変化します。
・オメガ3系は熱に弱いという特徴があります。サラダなどの熱を加えないお料理や、温かいお料理のうえに垂らして食べることがおすすめです。
・相性のいい野菜もあるため、献立を考えるときの参考にしてみてください。
今年もみなさまの健康と幸せを願っております。寒い毎日が続くので暖かくしてお過ごしください。
2025-01-22 13:05:12
油脂について