体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油の市販品~
2024年12月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
【前回のまとめ】
動脈硬化の反応は「炎症」と密接な関係にあります。
「炎症反応に関与するアラキドン酸を生成するリノール酸」を含む
オメガ6系のあぶらをとり過ぎないようにして、
「抗炎症作用のあるα-リノレン酸、EPA、DHA」オメガ3系のあぶらとって食生活のバランスをとりましょう。
主な種類は、
オメガ6(大豆油、サラダ油、なたね油、コーン油)
オメガ3(アマニ油、えごま油、青魚)
もっと詳しく知りたい方は、8月号にも詳しく記載しています。
【前回の補足】
前回のページ3にある表について①トロンボキサンA3、②トロンボキサンA2についての補足があります。
- トロンボキサンA3は、先月号3ページ表の左側EPAから生成されるエイコサノイドの一種です。トロンボキサンA3は、トロンボキサンA2と比較して血小板凝集作用が弱く、血管拡張作用が強いことが知られています。そのため、トロンボキサンA3の生成が増えると、血栓形成のリスクが低下し、心血管系の健康に良い影響を与えるとされています。
また、トロンボキサンA3は炎症抑制作用も持っており、EPAの摂取が増えると体内での生成が促進され、炎症性疾患のリスクが減少することも期待されています。
②トロンボキサンA2の生成はアラキドン酸が関与しています。
トロンボキサンA2には血液凝固と血管収縮を促進する役割があります。これにより、出血を防ぐ効果がありますが、過剰になると、
血栓症や心血管系の問題のリスクが高まりますが動脈硬化はこの過剰なトロンボキサンA2が関与しています。体内に関与しているアラキドン酸はオメガ-6脂肪酸の一種ですが、これが酸化されることでトロンボキサンA2が生成されます。
補足のまとめ
高い抗炎症作用を持つオメガ-3脂肪酸と比較して、オメガ-6系の脂肪酸は炎症を促進する傾向があります。バランスの取れた摂取を心がけましょう。
オメガ3、オメガ6の関係がみえてきたところで
今回は
スーパーで見つけた「αリノレン酸」の各メーカーの特徴につてランキング方式で載せたいと思います。
【スーパーで見つけたαリノレン酸】
市販でαリノレン酸が豊富に含まれているえごま油、アマニ油があります。
実際にスーパーに行って①
メーカーの種類と②値段と③含有率を調べてみました。用途に合わせたランキングも用意しました。
●アマニ油編 3つ
①メーカー
日清オイリオ アマニ油
産地 カザフスタン、ロシア
②値段
50g299円(100g=598円)
145g699円(100g=482円)
320g1690円(100g=528円)
③含有量
小さじ一杯 4.6gあたりαリノレン酸2.5g
ニップン アマニ効果
産地 カナダ
②値段 180g 799円(100g=478円)
③含有量 4.6g あたりαリノレン酸2.76g
フラットクラフト アマニ油
産地 イタリア
②値段 320g 899円(100g=303円)
③含有量4.6gあたり2.2~3.0g
3つのメーカーの亜麻仁油、それぞれどんな特徴があるかランキング方式でまとめてみました。
【生産地について】
日本ではあまり亜麻仁油の生産はされていないため各メーカーの産地について調べてみました。
カナダ: 世界最大の亜麻仁油の生産国の一つで、高品質の製品が多いです。
カザフスタン: 広大な農地と適した気候条件により、亜麻の栽培が盛んです。輸出も盛んであり、国際市場での評価も高いです。
ロシア: 亜麻の伝統的な生産国の一つで、特に北部地域での栽培が盛んです。品質も良好です。
イタリア:イタリア産の亜麻仁油は、特にトスカーナ地方で生産されており、その品質は世界中で評価されています。
【結果】どの産地の油も品質が保たれているようです。産地によって香りのつよさなどが異なるため、お試して好みの違いをみつけてみてください。
●えごま油編 3つ
①メーカー 日清オイリオ 有機えごま油
産地 アメリカ・イタリア 国内製造
②値段145g 990円(100g=732円)
- 含有量4.6g あたりαリノレン酸2.5g

- メーカー 紅花食品 荏胡麻油
産地 北海道
②値段170g 799円(100g=507円)
産地 静岡県
②値段170g 849円(100g=538円)
③含有量 4.6g あたりαリノレン酸2.76g

えごま油は国内産のものが多くマイルドと言われています。
来月は具体的なえごま油、亜麻仁油を使ったレシピを特集します。
みささま、今年も大変お世話になりました。
あたたかくして良いお年をお迎えくださいね。
2025-01-22 11:28:33
油脂について