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猪岡内科コラム

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体にいい油をとろう ~EPA DHA 編~

体にいい油をとろう ~EPA DHA 編~

体にいい油をとろう
~EPA DHA 編~
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
2024年10月
 
 
前回は「グリーンランドに住んでいるイヌイットは動脈硬化を起こしにくいこと」 「その理由は“イヌイットの食生活”にあり、オメガ3系の油が関係していること」や、
「日本人はオメガ3系の油の1つであるEPAをどのくらい摂取しているか」についてまとめました。
今月は、EPA・DHAの具体的な摂取方法についてお伝えしていきます。
 
まず、食事からとる方法では、
  • 魚を積極的にたべること
  • αリノレン酸が豊富に含まれている亜麻仁油、えごま油をとること
があげられます。
 
  • の「魚を積極的に食べる」というところでは
【魚の種類、部位】
【魚の調理法
によって含まれているEPA・DHAの量が異なります。
 
 
【魚の種類と部位】
次のページに、魚に含まれるEPAとDHAの含有量を一覧表にまとめました。
 
EPAとDHAはマグロ、サンマ、ブリ、イワシ、サバなどのいわゆる『青魚』に多く含まれています。
反対に、タラ、キスなどの『白身魚』は含有量が少ない傾向です。
 
<魚介類100gあたりのEPA+DHA含有量(mg)>
含有量多い
 
クロマグロ(4600mg)、スジコ(4500mg)、ミナミマグロ(4000mg)、イクラ(3600mg)、ブリ(2640mg)、サンマ(2450mg)、タチウオ(2370mg)、銀鮭(1940mg)、ウナギ(1680mg)、真サバ(1660mg)、マイワシ(1650mg)、ニシン(1650mg)、サワラ(1440mg)、
戻りガツオ(1370mg)、真鯛(1300mg)、シシャモ(1220mg)、
金目鯛(1140mg)、アナゴ(1110mg)
 
含有量中等度
 
ホッケ(980mg)、カンパチ(920mg)マアジ(870mg)、銀ダラ(770mg)、メバル(760mg)、紅鮭(750mg)、ウニ(425mg)
 
含有量少ない
 
クロマグロ赤身(147mg)、初ガツオ(112mg)、スケトウダラ(78mg)、真ダラ(66mg)、キス(48mg)、アンコウ(29mg)、ミナミマグロ赤身(9mg)
 
※日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
 
上の表にあるように、マグロ、魚卵、ブリ、サンマ、イワシ、ニシンには多くのEPA・DHAが含まれています。
 
そして、「カツオ」は、初ガツオ、戻りガツオと2種類あります。
春を中心にとれる「初カツオ」と秋が旬な「戻りガツオ」ではEPA、DHAの含有量が10倍以上異なります。
三陸側でたくさん餌を食べた「戻りガツオ」の方がしっかり脂がのっていてDHAやEPAが豊富に含まれています。
このように時期によって異なるのは興味深いです。
 
こちらの表を参考にEPA、DHAの含有量の多い青魚を中心に摂ると良いでしょう。

魚の部位については、
あぶらの部分にDHAやEPAが多く含まれています。
魚を食べるとき「脂ののった魚」という表現をしますが、DHAやEPAはその脂や神経組織部分、皮の部分に多く含まれています。
 
例えば、「マグロ」は
赤身にはほとんど含まれず、トロの部分や目の周りのドロっとした組織に豊富に含まれているといわれていますが、一体、部位によってどのくらいの差があるのでしょうか。
 
前のページの一覧表の中にある「クロマグロ」を参照します。
クロマグロ100gあたりのEPA+DHA含有量(mg)
脂ののった部分では4600㎎
赤身の部分は146㎎
その差は30倍以上と圧倒的な結果となりました。
 

 
【魚の調理法】
オメガ3系の油を摂取できる量は調理法によっても異なります。
刺身のような「生食」ではすべてのあぶらを摂取することができますが、
加熱調理する場合には“焼き魚で2割、揚げ物で5割”のあぶらが流出してしまうといわれています。
効果的にEPA・DHAを摂取するには刺身が一番ですが、生で食べられない魚は揚げるよりも焼き魚や煮魚にして食べましょう。
 
すでに加熱調理されている缶詰では、汁の部分に多くEPA・DHAが含まれているので、汁まで使い切ることがおススメです。
 
一食分に含まれるEPA・DHAの参考例です。
 
【サンマの塩焼き】
サンマ一匹(過熱後130g) カロリー 386㎉
DHA 1560㎎ EPA 728㎎

皮まで食べるとEPA・DHAを豊富に摂ることができます。
 
【ブリの煮魚】
ブリ一切れ(過熱後100g) カロリー 386㎉
DHA 1360㎎ EPA 752㎎

 
【まとめ】
・EPA・DHAはサバ、ブリ、サンマのような青魚に多く含まれています。
・多く含まれている部位は、皮、トロの部分や、神経組織の部分なので、カマ焼きなどがお勧めです。
・反対に白身魚にはEPA・DHAの含まれている量が少ないです。
・1番効率よくEPA・DHAをとる食べ方はお刺身です。
・加熱調理は多少の油の流出があります。
焼き魚で本来の8割、揚げ物で本来の5割に相当するEPA・DHAをとることができます。
 

2024-11-15 13:31:26

 
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