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糖尿病学会より日本人における2型糖尿病のアルゴリズム④

糖尿病学会より日本人における2型糖尿病のアルゴリズム④

糖尿病学会より日本人における2型糖尿病のアルゴリズム④
2023年9月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
先月は日本人と欧米人の 2 型糖尿病の病態では、欧米人は主にインスリン抵抗性が多い病態なのに対して、日本人は遺伝的にもインスリンの分泌能の低下が関わっているという違いがありました。
このような結果を踏まえて、果たして患者さんご自身はどちらのタイプの糖尿病なのか?それぞれの特性に合った薬剤はなにか?の見方について解説していきたいと思います。
 
【糖尿病の検査】
糖代謝の変動をあらわす検査結果の指標としては、血糖値HbA1cがあり、当院ではほぼ毎月血液検査をして変動を診ておりますが、
インスリン分泌能やインスリン抵抗性の程度を示す指標としてあげられる検査にはHOMA-β HOMA-IRと呼ばれる項目があります。
 
【HOMA-β HOMA-IR
HOMA-β(=homeostasis model assessment for β cell function)
HOMA-IR(=homeostatic model assessment insulin resistance)
こちらの2つの指標が 一般的にはインスリン抵抗性、インスリン分泌能の評価でよく用いられていますが、この指標は本当に歴史が古く、 1979年にイギリスのオックスフォード大学のターナー教授によって提唱されています。
 
空腹時のインスリン値と血糖値を掛け算するもので、今や世の中で広く認められた指標なのですが、初めて出てきたときは、オックスフォード大学で体の糖代謝をコンピュータのシュミレーション装置で計算されていました。
それによって非常に難しい計算をして 出していました。
ところが、そのうちに弟子のマシュー先生が、プロットしてみると一定の曲線上に乗るので、最初は対数曲線上にプロットした数式を提唱されました。
しかし、提唱された数式が、実は変形させると、単なる掛け算で表せるのだと いうことをテキサス大学のハフナー先生が言い出して、臨床的にも使いやすい指標として広まりました。
 
●HOMA-β(=homeostasis model assessment for β cell function)は、インスリン分泌能を評価するための検査です。
 
空腹時の血糖値と血中インスリン濃度(IRI)を測定し下の計算式にあてはめます。
 
 
100%が健常白人の基準です。
明確な基準があるわけではありませんでしたが、もともと白人よりもインスリン分泌能が低い日本人では40%-100%が基準値と判断されている文献が多かったです。
HOMA-βが30%切ってくると軽度インスリン分泌能が低下しているという判断になり、15%を切ると明らかなインスリン分泌能の低下、10%未満ではインスリン廃絶の証明値、3%未満では1型糖尿病に多いインスリン能枯渇の状態と判断されます。
足りていないホルモンを補うインスリン療法導入の指標にしています。
HOMA-βは空腹時血糖値130㎎/dL以下の場合に信頼度が高いとされています。
また、インスリン補充療法中の方の場合には正確な血中インスリン濃度が測定できないため、違う検査項目をみていきます。
 
●HOMA-IR(=homeostatic model assessment insulin resistance)
HOMA-Rはインスリン抵抗性を評価するための検査です。
空腹時の血糖値(FBS)と血中インスリン濃度(IRI)を測定し計算式にあてはめていきます。
 
健常白人のインスリン抵抗性を1としており、1.1以上で軽度インスリン抵抗性と判定されます。HOMA-Rが2.0以上なら明らかなインスリン抵抗性ありと判断されます。
 
HOMA-Rは空腹時血糖値140mg/dL以下で信頼度が高いと言われています。
また、こちらもインスリン補充療法中の場合には正確な血中インスリン濃度が測定できないため使用できません。
 
 
●インスリンを使用している人
インスリン補充療法中の方の場合には正確な血中インスリン濃度が測定できないため、代わりに“Cペプチド”という検査項目をみていきます。
 
Cペプチド
Cペプチドは、膵臓からインスリンが分泌されるときにインスリンにくっついて出てくるタンパク質です。
その後、インスリンからは切り離されて、血液中を通った後に尿に出されます。実際に血糖値を下げるのはインスリンであり、Cペプチドはそのかけらのようなものです。Cペプチドの量を測ると、自分の膵臓からでたインスリンの量を推測することができます。

 
膵臓からははじめ、プロインスリンという蛋白質が出てきます。そこからCペプチドが切り離され、血糖値を下げるインスリンができます。Cペプチドはその後、尿中に捨てられてしまいます。
 
このCペプチドの値が低ければ低いほど、自分の体で作られるインスリンの量が少なくインスリン依存性が高いことがわかります。
 
さて、ご自身のインスリン分泌能やインスリン抵抗性について理解を深めたところでHbA1cの目標値の決め方についての説明に移りたいと思います。
 
 
 

2023-11-10 13:16:49

糖尿病

 
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