オミクロン株についてわかってきたこと、
3回目のワクチンについて 2月号
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
これまでにないペースで感染が拡大する「オミクロン株」。
感染力の強さを示す報告が世界中から相次ぎ、2回のワクチン接種では発症の予防は難しいことが分かってきた一方で、重症化や入院に至るリスクは低いという報告が増えてきています。
今月はオミクロン株についてわかっていることをお伝えします。また、この記事は1月中に編集しているため多少のタイムラグがあることをご了承ください。
【オミクロン株わかってきたこと】
沖縄県や東京都などで前の週の10倍以上になるというこれまでにない勢いで
オミクロン株の感染者が主体となった“第6波” が拡大しており、政府は、2022年1月9日より感染の流行している県にまん延防止等重点措置を適用しています。
全国的にデルタ株からオミクロン株へ置き換わりつつあります。
WHOは“感染力上がる”明記
WHO(世界保健機関)は、1月11日付けの週報で、オミクロン株の感染力について、
「感染力が上がっている」と明記しました。
累積の感染者数が2倍になるまでにかかる「倍加時間」という数値が、オミクロン株の場合、これまでの変異ウイルスに比べて短いとしています。
直近1週間の倍加時間は沖縄県で1.3日、大阪府で1.7日、東京都で1.9日ということからも
オミクロン株の感染力の強さがうかがえます。
WHOではオミクロン株の感染力は最大でデルタ株の3倍とするデータが発表されて世界的にもデルタ株からオミクロン株への置き換わりが急速に進みました。

イギリスやアメリカや日本では90%以上がオミクロン株に置き換わりつつあり、
さらに、
感染してから発症するまでの潜伏期間が短く、感染者が増えるペースもこれまでより速いという特徴も見えてきています。
潜伏期間は、オミクロン株は3日程度、オミクロン株以外は4.8日となっておりより短くなっています。
【オミクロン株の重症化リスク】
WHOによると、
オミクロン株による入院と重症化のリスクは「下がっていると見られる」とされ、オミクロン株の症状について、
鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異ウイルスと比べて
肺まで達して重症化するリスクは低いという見解が示されていますが、一方では証明するためにはさらなるデータが必要という慎重な姿勢を示す声もあります。
オミクロン株による重症化リスクについて沖縄県での初期段階のデータが示されています。
療養者の数が650人に達した時点での症状を分析したところ、
▼従来株が流行していた時期では、
重症が0.6%、無症状や軽症が84.8%
▼アルファ株が流行していた時期は、
重症が0.9%、無症状や軽症が72.8%
▼オミクロン株が中心の現在では、
重症は0%、無症状や軽症が92.3%でした。
イギリスの発表ではと、オミクロン株に感染して入院に至るリスクは、デルタ株の場合に比べて3分の1になっているとしています。
さらに、コロナウイルスの
2回目のワクチン接種を終えている人では、ワクチンを接種していない人に比べて、入院するケースは65%低く、3回目の追加接種を受けている人では81%低くなっていました。
入院に至るリスクが下がっていますが、これまでより感染者数が非常に多いことから、入院や重症化の数はあまり変わらずに医療機関には大きな負荷がかかっているとしています。症状が軽い傾向にあるとはいえ、引き続き十分な感染対策は必要です。
宇都宮市内の発熱外来も、去年の暮れ頃には一時は落ち着きましたが、
最近ではまた駐車場に車を止められないほどの混雑となってしまっているようです。今まで幸いにも重篤の患者さんは出ていませんが、電話もつながらずに、待ち時間も増えており、まさに医療現場がひっ迫しているような印象を受けます。
また、熱や咳、腹痛など何かしらの症状があって発熱外来を受診してPCR検査を受けられる方の2割ほどが陽性で、これまでの株よりものどの痛みが強いと感じる患者さんが多いのがオミクロン株の特徴だそうです。
【ワクチンの効果】
オミクロン株は、ワクチンを接種した人でも感染するケースが報告されています。
また、2回接種の効果について「感染と発症を防ぐ効果は減少し、重症化を防ぐ効果も下がっている可能性があるとみられる」としています。

イギリスのデータでは、オミクロン株に対してファイザーやモデルナのmRNAワクチンで、
2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%でしたが、20週を超えると10%程度に下がっていました。
ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、
2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がりますが、時間とともにその効果は減少し、10週を超えると40~50%に下がるようです。

その一方で、重症化して入院するリスクを下げる効果は、発症を防ぐ効果より高くなっています。
ファイザーやモデルナなどのワクチンを接種した人で分析すると、入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では72%、25週を超えても52%、3回目の追加接種をしたあと、2週以降だと88%となっていました。
2月から高齢者のコロナワクチン接種が始まります。
1回目2回目と同じく肩の上のほうに注射を打つ予定なので、
着脱しやすい服装でお越しくださいね。
また予約方法は前回と同じくインターネットもしくは下記の予約センターへの電話です。
〇予約センター電話番号
0120-611-287 8時30分~17時15分(土日、祝日含む毎日)
当院に直接お電話されてもお受けできませんのでご注意ください。
それでは引き続き感染対策をして暖かくしてお過ごしください
2022-03-02 09:17:29
コロナウイルス
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