肺炎球菌について知ろう① 10月号
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
過ごしやすい季節になってきました。
猪岡内科では、
10月中旬よりインフルエンザの予防接種を始める予定です。
今月は、
“肺炎球菌”について解説したいと思います。
コロナウイルスが流行してから“肺炎”は注目されることが多い病気になりました。
日本では肺炎で亡くなる方は、がん、心臓病、脳卒中に次いで
4番目に多く、年間8万人が亡くなっています。
その肺炎をおこす原因として細菌、ウイルス、リケッチア、カビなどがありますが、中でも
肺炎球菌は病原性が強く、肺炎の約50%を占めていると言われています。
【肺炎球菌について知ろう】
肺炎球菌は1881年、パスツールによって初めて同定された細菌の1つで、鎖状に増殖することから
肺炎レンサ球菌(Streptococcus Pneumoniae)とも言われており、その種類は90種類以上あります。

肺炎球菌は、人の鼻やのどに常に存在しており、普段は病原性が発揮されません。
構造としては、次の図のようにポリサッカライド(多糖体)からなる莢膜(きょうまく)を持つものと持たないものがあり、この
莢膜を持つ肺炎球菌が人に対する病原性を持っています。
莢膜は分厚く、からだの免疫からの攻撃に強くて、
退治することが難しい細菌です。
【肺炎球菌と肺炎】
おもに小児や、成人の5%程度の人の鼻やのどなどに常在し、咳やくしゃみなどの飛沫により周りに感染を広めます。
普段は病原性を発揮しない肺炎球菌ですが、風邪やインフルエンザなどが原因で免疫力が下がったり、のどの粘膜が損傷を受けると肺炎球菌の発育・増殖が促進されて、その名の通りに肺炎をひき起こす可能性があります。
また、肺炎球菌は肺炎のほかに、稀に副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、脳炎などを引き起こします。
健康な成人の肺炎の原因菌は
マイコプラズマが多いですが、高齢者の肺炎の原因は
肺炎球菌が一番多く、他の肺炎と比較しても重症化しやすいとされているため、平成26年より定期の予防接種として推奨されて各自治体で補助も受けられるようになりました。
【宇都宮市の助成の対象者】
次の方を対象に生涯で一度の助成が出ており、自己負担2500円で肺炎球菌ワクチンを受けることが出来ます。
65歳(昭和30年4月2日から昭和31年4月1日)
70歳(昭和25年4月2日から昭和26年4月1日)
75歳(昭和20年4月2日から昭和21年4月1日)
80歳(昭和15年4月2日から昭和16年4月1日)
85歳(昭和10年4月2日から昭和11年4月1日)
90歳(昭和5年4月2日から昭和6年4月1日)
95歳(大正14月4月2日から大正15年4月1日)
100歳(大正9年4月2日から大正10年4月1日)
または60歳から64歳の方で「心臓・じん臓・呼吸器の機能」又は「HIVによる免疫の機能」に障がいを有する方(身体障がい者手帳1級程度)
助成についての手続きなど詳しくは、宇都宮市保健所(電話番号028-626-1114)、お近くの地区市民センターへお問い合わせください。
肺炎球菌ワクチンについては来月号で詳しく解説します。
【外をお散歩しよう】
散歩やウォーキングにはさまざまな効果があると言われています。
例えば、体脂肪を燃焼できたり、血行がよくなって冷え性の改善や免疫力の向上にもつながると期待されています。
自然の中で太陽光を浴びながら歩くと、日頃たまりがちなストレスも発散、気分も一新できそうですよね。
散歩やウォーキング中にちょっと立ち止まって使える、自然に親しむスマホアプリをご紹介します。
●GreenSnap(グリーンスナップ)
植物や花好きが集まるコミュニティアプリで、観葉植物やガーデニングの写真共有が楽しめます。
散歩中、特に役立つのが「教えて!カメラ」という機能です。
歩いているときに気になる植物を見かけたら、GreenSnapのアプリを起動させて植物や花の写真を撮ります。
そうすると次の写真のようにアプリの人工知能がその植物の名前を教えてくれます。
植物の名前を人工知能が教えてくれるほかにも、花言葉が届いたり、撮った植物の写真アルバムが作れる機能があります。
これから紅葉の季節なので、スマホ片手に自然を散策して、いつものウォーキングを楽しくしましょう
【ダウンロード】

iPhoneの方はAppStore、iPhone以外の方はGoogle Playから“GreenSnap”と検索してみてください。左のようなアイコンが目印で、無料でダウンロードできます。
2020-10-09 11:47:57
肺炎球菌