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新型コロナウイルスを食事で予防

新型コロナウイルスを食事で予防

新型コロナウイルスを食事で予防
 
管理栄養士 穴澤絵美
 
日々新型コロナウイルスが猛威を振るい、おさまる気配がありません。私たちスタッフも日々手洗いうがいはもちろん、院内の消毒を行い室内換気も心がけておりますが、やはり100%安心はできない状況です。
そのような中、日本栄養士会から新型コロナウイルスに対して発言がありましたのでその内容を踏まえて今後ご自身でできる対策をお伝えしたいと思います。 
 
一般的な症状と重篤化のリスク
現在報告されている新型コロナウイルスに感染した場合の症状ですが、発熱や呼吸器症状といった風邪のような症状が1週間くらい続き、強いだるさを訴える方が増えてきているそうです。(厚生労働省発表:3/28時点)
風邪が一般的に2-3日で治るのに対し、新型コロナウイルスの場合、潜伏期間が長く、上記のような症状が4-5日続きます。一部の患者さんでは味覚障害を起こす事も報告されています。

重篤化すると1週間後には肺炎を起こし、最悪の場合命を落としてしまうこともありますので、特に高齢者や一人暮らしの方は気を付ける必要があります。 
 
肺炎のリスクと栄養状態
ヒトには本来、あらゆる病原菌に対して感染防御能があります。感染後生死を分けるのは十分な抗体ができるまでの期間の肺炎・高熱に耐える感染防御能です。そしてこの感染防御能を働かせるために大事なのは栄養です。
栄養状態を知る為に、血清アルブミン値がひとつの指標として用いられています。
今回この血清アルブミン値と肺炎の関係について興味深い資料を見つけたのでご紹介します。
※BMI(ボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。)
 
  

栄養科学研究所長 香川靖雄氏引用

体温は1℃上昇すると13%代謝が増加するため、発熱が起きるとエネルギー消費量が増えます。そのため、肺炎の場合痩せた人よりも十分なエネルギーを蓄えた肥満者の死亡率のほうが低い傾向にあります。
一方で高齢者は食後に起こる筋たんぱく質合成が成人と比較して低いと報告があります。
それは高齢者ではたんぱく質の素となるアミノ酸が、筋肉に供給されたとしても筋肉になる量が成人に比べて少ないことを意味します。そのため、高齢者は成人以上に食事からたんぱく質をとる必要があるのです。

アミノ酸の中でも特にロイシンは強い体たんぱく質同化作用が存在することが知られています。
ロイシンは魚や肉などの動物性たんぱく質、チーズやヨーグルトなど乳製品に多く含まれていますのでこれらを食事の中に積極的に取り入れていきたいですね。

食事療法によって新型コロナウイルスに対する体の免疫を強くできますか?
答えはいいえです。
残念ながら特定の食品やサプリメントをとることで新型コロナウイルスに対する免疫システムを強化する事はできないようです。
感染を回避するための最良の手段は依然として適切な衛生習慣でありウイルスに感染しない行動をとる事です。
しかしながら先にお話ししたたんぱく質に加え、下記に示す栄養素や関連物質は免疫システムが正常に機能するために関与している事が分かっています。
 
① 摂取エネルギー
痩せても肥満でも感染リスクは上がります。
主食、主菜、副菜のそろった食事を3食こころがけましょう。
② たんぱく質
エネルギー同様、たんぱく質の不足は免疫機能の低下を招きます。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品をまんべんなくとれると理想です。
③ n-3系脂肪酸
炎症や血栓を予防するなど動脈硬化を抑制します。
n-3系脂肪酸はα-リノレン酸、EPA、DHAがあります。α-リノレン酸は亜麻仁油やなたね油に、EPA・DHAはサバやイワシなどの青身魚に多く含まれています。
 
④ 食物繊維
腸内で善玉菌の餌となり、善玉菌を増やして免疫力を高めます。
汁物や副菜で上手にとり入れましょう。
⑤ ビタミン類(A、D、E、B群、C)
各種のビタミンは体の代謝に営む補酵素として働く事から、これらが不足すると免疫能を担う細胞の機能低下を招きます。
野菜や果物、ナッツ、穀類や豚肉など様々なものにビタミンは含まれています。
⑥ ミネラル(鉄、亜鉛、銅、セレン)
ミネラルの欠乏は胸腺の形成不全や抗体となる免疫ブログリンのレベルを低下させます。
鉄はホウレンソウやレバー、亜鉛はあさり等貝類に豊富です。
 
⑦ 乳酸菌
免疫を活性化する作用があり、感染症予防効果が近年注目を浴びています。
ヨーグルトやチーズのほか、味噌やキムチなど発酵食品に含まれます。

以上の内容を踏まえると、新型コロナウイルスに対して食事面でできる事は、色々な食材をまんべんなく食べ、ウイルスと戦ってくれる免疫力を維持する事です。

万が一発症してしまった場合、激しい呼吸器障害をきたす恐れがあります。そのため呼吸を助ける筋肉の機能を高めておく必要があります。筋肉の機能を高めるに、たんぱく質を中心とした上記に上げるビタミン類、ミネラルなど種々の栄養素の補給が必要になるのです。

食品から新型コロナウイルスに感染する事はありますか?
答えはいいえです。
現在そのような報告はありません。しかし、食品の衛生管理には気を付けて下さい。
一般的には飛沫感染、接触感染で感染しますので、調理中や食事中、咳やくしゃみなどと一緒にウイルスが放出され、万が一食品に付着した場合は感染のリスクが考えられます。


特別に食品を購入しておく必要はありますか?
答えはいいえです。
現在も一部スーパーやドラッグストアなどから、保存のきくパスタやインスタント食品などが消える出来事が起こっています。
外出が自粛されても生活に必要な物資を購入するために店に行くことは可能です。むしろ食料不足は買いだめによって引き起こされていますので、皆さんが落ち着いて普段通りの生活、お買い物をすれば問題ありません。

 
~ちょっとした工夫で上手に食材管理を~

※ 生鮮食品はできる限り使いきって下さい。

※ サラダのような生食する新鮮な野菜はしっかり洗い→すすぎ→水切り。その後適切なプラスチック製の保存容器に入れて蓋をして保存します。この手順で行う事で蓋をしていない状態で冷蔵庫に保管した状態よりもさらに数日間新鮮な状態が保たれますよ。プラスチック容器の無い方は器にサランラップをかける方法でもよいです。

※ 万が一沢山買いすぎてしまい、腐らせてしまいそうと思うものは早めに冷凍してしまうのも一つの方法です。

私の例をお話しますと、私はお買い物に行く日を週2日と決めていますので、ほうれん草やインゲン等、すぐに使いきれなと思ったものは軽く湯がき冷凍しています。主菜となるもの、特に魚介類は劣化しやすいため、購入してから翌日までには食します。
肉類も食べることが遅くなりそうだと判断したものは早めに下味等付け冷凍しています。

※ 一度冷蔵庫の中を確認しましょう。賞味期限切れのものはありませんか?
芋類や皮のついた玉ねぎなどは冷蔵庫でなくても涼しいところで保存が可能です。
そうする事で冷蔵庫のスペースが空き、より傷みやすいものが多く収納できます。

※ 在宅で普段より時間のある方は古くなっていたり今後も使用しない食品は思い切って処分し、キッチンの戸棚を整理してみてはいかがでしょうか。

外出の制限で気分が塞いだら料理に挑戦して気分転換するのも良いでしょう。すでにご自宅で普段あまり作らないパン作りに挑戦しているという方もいます。また、料理を作る気力のない場合は、缶詰のスープ、電子レンジで炊けるご飯、冷凍食品等を活用し上手に楽をして下さいね。

新型コロナウイルス感染が拡大する初期の段階には高齢者や糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、心臓病の患者さんたちに多発しました。これらの人たちは高齢や病気の影響により免疫機能が低下している事が考えられますが、高齢者によるフレイルや病気の食事療法による栄養素の制限などによる低栄養が二次的に免疫能を低下させている事も考えられます。
少しでもご自身の栄養状態に不安のある方は、お気軽に管理栄養士にご相談下さい。
 

2020-04-30 17:07:00

コロナウイルス

 
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