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痩せている人はちょこまか動くは本当か? 糖尿病学会より

痩せている人はちょこまか動くは本当か? 糖尿病学会より

糖尿病学会レポート ~痩せている人はちょこまか動くは本当か?~

猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
前回は運動の種類、目安の量、自分の筋力を知るテストについてご紹介しました。
今回も引き続き、糖尿病学会のレポートです。
 
肥満の方と痩せている方が、無意識にどのくらい体を動かしているのかの調べた面白いデータがあるのでご紹介します。
【肥満者、非肥満者の行動パターン】


肥満者と非肥満者の行動パターンを比較した表です。

●肥満者は1日の中で寝ている時間が8.2時間、座っている時間が9.5時間、立っている時間が6.3時間。
●非肥満者は1日の中で寝ている時間が8.3時間、座っている時間が6.5時間、立っている時間が9.2時間。
という結果が出ました。
睡眠時間には大差はなく、座っている時間と立っている時間に差ができましたね。
太っている人が座ってのんびりしていて、痩せている人がちょこまか動いているというイメージは本当だったんですね。
 
次に、運動ではなくて、生活の中で無意識にうごいている時間に焦点をあててみます。
専門用語ではNEATといいます。

【NEAT nonexercised activity thrmogenesis】
日本語では非運動性熱産生といわれ、その頭文字をとってNEATです。
意識して運動をする時間ではなく、日常の生活で無意識に消費される熱量のことを表します。
例えば、通勤するのに車ではなく自転車、エスカレーターではなく階段を使うこと、家の掃除をするなどでNEATの量が増えます。
 
米国の運動・医科学の権威者ハミルトンは、特別な運動をしなくても、NEATを増やせば、メタボや糖尿病を防ぐことができるという研究結果を発表しました。
仕事などで運動する時間が取れない人はNEATの量を増やすことを意識すると良いです。



肥満者と非肥満者のエネルギー消費の図を比較します。
左は1日の総エネルギー消費、右は体重1㎏あたりのNEATの消費量を表したものです。
右の図を見ると、痩せている人のほうが、無意識の動いているNEATの消費量が多いですね。
運動する時間を設けることもとても大切なことですが、時間がない人は日常生活に運動を取り入れることを意識してみましょう。
 
NEATの量を増やす方法を箇条書きにします。
・通勤ではバスや電車の一駅分を歩く。車より自転車、歩きで通う。
・エレベーターではなく、階段を使う
・仕事でもプライベートでも、用事があれば自分から出向く
・職場でのコピー取りやファックスは、自分で行う
・職場でスタッフを呼ぶより、自分から行って話す
・休日は家のそうじをする
・ペットと散歩する です。
 
日頃忙しいみなさん、ぜひ日常生活で動くことを意識してみてくださいね。
 
 

2018-07-04 22:00:10

糖尿病

 
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