油脂について
体にいい油をとろう
~ローストアマニ粒について~
2025年5月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
数か月にわたり「体にいい油」のあまに油、えごま油について、お手軽に料理に使えるマヨネーズやドレッシングについて連載してきましたが、今回は「ローストアマニ粒」について紹介します。
【ニップンローストアマニ粒】
「アマニ油」は種をしぼって油を取り出したものですが、「ローストアマニ」は、アマニ油になる前の原料であるアマニの種を焙煎したものです。
種を丸ごと食べるので、αリノレン酸に加えて、タンパク質、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素も一緒にとれることが特徴です。
油やドレッシング、マヨネーズとは、応用できるレシピも異なりますので、後半のレシピにも注目です。
まずは、
「ローストアマニ」の3つの魅力について紹介していきます。
- 「オメガ3脂肪酸+食物繊維+ポリフェノール」栄養価が豊富
◆オメガ3脂肪酸
ローストアマニはドレッシングやマヨネーズと同様にα-リノレン酸を豊富に含んでおり、心血管の健康をサポートします。
油やマヨネーズと違っている部分は、食物繊維、ポリフェノールの一種であるアマニリグナンが含まれていることです。
◆食物繊維
食物繊維の含有量は
40g中9.2g 大さじ1杯あたり1.1g
アマニの種の
23%が食物繊維で、
ゴボウ、きなこ、アーモンドよりも多くの食物繊維が含まれています。(水溶性が9%、不溶性が15%)3:5の割合でバランスよく含まれています。
食物繊維の働きは、満腹感を得やすく、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。
便秘の解消にも効果的です。
◆ポリフェノール
ポリフェノールの一種であるアマニリグナンは「植物性エストロゲン」ともいわれています。抗酸化作用はもちろんのこと、大豆などに含まれている「イソフラボン」と同様に女性ホルモンに似た働きがあります。
更年期やPMSなどのホルモンバランスのサポートとしても注目されています。
香ばしくローストされたアマニは、独特の食感と風味があります。
サクサクとした食感が食事にアクセントを加えて、スムージー、ヨーグルト、アイスにトッピングすることで、見た目にも楽しさをプラスします。
また、アマニ「粒」は比較的熱にも強くパンやクッキー、ホットケーキにも混ぜ込むことができ、
デザート系レシピにも使えるのも魅力の一つです。
- 個包装タイプで賞味期限を気にせずに「鮮度のいい油」をとることができる。
今まで「
αリノレン酸は二重結合が多いために酸化されやすく、期待できる健康効果の期間が短い」ということをお伝えしてきました。
具体的には、αリノレン酸の含まれる油、ドレッシング、マヨネーズには開封後1か月間で使用することを目安におすすめしてきました。
それは継続的にオメガ3系をとれる一方で弱点でもありましたが、5gのスティックで個包装することで酸化を防ぎ「18か月間」と長い鮮度を保てることが強みになりました。
ローストアマニを使用したレシピを2つ紹介します。
【レシピ】
★ローストアマニのヨーグルトボウル★
このレシピでとれるαリノレン酸の量 2.6g

●材料
プレーンヨーグルト 1カップ
お好みのフルーツ(バナナ、ベリー、リンゴなど) 適量
ニップンあまにロースト 大さじ2
はちみつ お好みで
●作り方
1. ボウルにプレーンヨーグルトを入れます。
2. お好みのフルーツをカットしてヨーグルトの上にトッピングします。
3. ニップンあまにローストを振りかけ、必要に応じてはちみつをかけて完成です。
★あまにローストのホットケーキ★
このレシピでとれるαリノレン酸の量 2.3g
●材料
ホットケーキミックス 1袋 200g
牛乳 150ml
たまご 1つ
バナナ 1本
ローストアマニ 大さじ1
蜂蜜(お好みで) 小さじ1
バター 適量
●作り方
- ホットケーキミックス、牛乳、たまご、ニップンアマニローストを混ぜる。
- フライパンにバターを溶かして弱火で生地を焼く。
- 生地をひっくり返して焼けたらお皿によそう。
- バナナをスライス、お好みで蜂蜜を加えて完成です。
【まとめ】
ローストアマニは3つの利点があります。
・「オメガ3脂肪酸+食物繊維+ポリフェノール」の栄養価が豊富です。
・比較的熱に強いため生地に練りこんでデザート系のレシピにも活用できます。
・個包装タイプで「鮮度のいい油」をとることができます。
2025-05-14 10:35:01
体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油のドレッシング~
2025年4月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
今回はうちでよく作っているオメガ3系のマヨネーズサラダの紹介、キューピーの血圧の研究、市販のオメガ3系のドレッシングの各社の比較を紹介しようと思います。
★3色サラダ

材料 (4人分)
・きゅうり 2本
・コーン缶 半分
・ハム(ベーコン)1パック30g程度
・めんつゆ 大さじ1
・あまに油(またはえごま油)入りのマヨネーズ 大さじ4
作り方
塩分カットのため塩もみはしていません
- ハムを一口サイズに切り、コーン缶の半分と一緒にボウルに入れます。
- めんつゆ(4倍希釈の場合) 大さじ1、マヨネーズ大さじ4
をいれて和えてできあがり。冷蔵庫で冷やすとより美味しく召し上がれます。
このレシピでとれるオメガ3系油の量は 2.0g/1人分 です。
オメガ3系の油は、心血管の健康維持、脳機能の向上、炎症を抑える効果で動脈硬化を抑えたりしますが、キューピーではこんな研究もされています。
【αリノレン酸は血圧を下げる効果がある?】
血圧が高めの方(収縮期血圧平均135.9mmHg、拡張期血圧87.8mmHg)
111人を対象にした試験では
「1日当たり2.6gのαリノレン酸を摂取すると、血圧低下に効果的であった」という結果が得られています。

上の表のようにαリノレン酸を意識して摂取してから1か月くらいで降圧効果が表れて
「平均で収縮期血圧が10mmHg」くらい下がると報告されています。
そして、降圧効果は摂取を続けている3か月間は持続しました。
3か月の試験終了後にαリノレン酸の摂取を中断すると元の血圧に戻ってしまうようです。
血圧がやや高めで毎朝欠かさずに測定している方、αリノレン酸の降圧効果があったら是非教えてください。
(血圧の薬を飲んでいる方、血圧が下がったら自己中断をする前に必ず血圧手帳をお持ちの上、医師に相談してくださいね)
【αリノレン酸のドレッシング】
ここからはαリノレン酸のドレッシングについて紹介していきたいと思います。
ドレッシングは生野菜にかけるだけなのでマヨネーズとともに手軽にお使いいただけます。
【キューピー】
「和風玉ねぎ」「イタリアン」「ゴマ豆乳」
これらのドレッシングは商品に含まれる油のうち
100%あまに油を使用していました。
商品名
|
一食分20gのカロリー
|
20gあたりのαリノレン酸
|
和風玉ねぎ
|
66㎉
|
2.6g
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イタリアン
|
67㎉
|
2.6g
|
ゴマ豆乳
|
71㎉
|
2.6g
|
1食分当たりのαリノレン酸はすべて2.6gで、一食分当たりのカロリーもあまり差がないので、作るサラダに合わせたり、好みで選んで大丈夫です。

生野菜以外にも「豚しゃぶ」にかけるとメインのおかずになるのでおすすめです。
「和風玉ねぎ」、「ゴマ豆乳」は豚しゃぶに、「イタリアン」はサーモンなどのお刺身に合います。
【日清オイリオ】
日清オイリオはドレッシングの種類が
「こく和風」「焙煎香味ごま」「青じそ」「黒ず玉ねぎ」「旨口チョレギ 」の5種類あり、ラインナップが豊富なことが魅力的です。
商品名
|
一食分20gのカロリー
|
20gあたりのαリノレン酸
|
こく和風
|
79㎉
|
1.7g
|
焙煎香味ごま
|
88㎉
|
1.7g
|
青じそ
|
76㎉
|
1.7g
|
黒酢玉ねぎ
|
57㎉
|
1.5g
|
旨口チョレギ
|
83㎉
|
1.5g
|
カロリーにもばらつきがあるので、気になる方は「黒酢玉ねぎ」を選ぶといいでしょう。
「旨口チョレギ」は冷ややっこ、茹でた鶏むね肉には「胡麻」ドレッシングでバンバンジー風にするとよく合います。

【考察】
キューピーのドレッシングに対して日清オイリオのドレッシングでは
全体的にカロリーはやや高めですが、
一食分20gあたりのαリノレン酸の量が少ない印象があります。
これは、キューピーのドレッシングは100%アマニ油が使用されていると表示されていましたが、日清オイリオの場合にはアマニ油以外の油、例えば、大豆油、なたね油が含まれている可能性があります。しかし、
日清オイリオは1日に必要なオメガ3系の半分の量が摂れること、味のラインナップが豊富なことが魅力的です。好きなレシピや一日のオメガ3系の摂取量のバランスを見て使ってみてくださいね。
2025-04-11 09:53:00
体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油のマヨネーズ~
2025年3月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
先月号では「オメガ3系のあぶらは
“熱に弱い性質”を持つが、オメガ3系の油を含むマヨネーズは、熱を加えても“
分離せずに形状が残っている部分ではオメガ3の効果は維持できる”」という事実がメーカーとのやり取りで判明しました。
そこで、今月号では実践編です。
マヨネーズが形に残るようなオーブン焼きの検証をしたので、豆知識、レシピとともに紹介します。
【メカジキの豆知識】
メカジキの旬の時期は冬(11月~2月)です。冬になると脂がのり、身がしっとりして甘みが増します。
しかし、下記に示す「オメガ3脂肪酸含有量」の表の栄養成分をみてみると他の魚と比較してEPA・DHAなどのオメガ3系の含有量は決して多くありません。

また、
1日のオメガ3系油の摂取目安は「1日 2.2g」
(厚生労働省が推進する日本人の食事摂取基準2020年版)より
とされていますが、
メカジキ一切れ(80-100g)に含まれるオメガ3系は0.5g~最大1.2gと、
食事基準で示されるような
摂取目安には足りません。
そこで、加えてほしいのが「
オメガ3系のマヨネーズ」です。
調理に使用することで、味付けのみならず、
体にいい油を添加して摂取することができます。
【
マヨネーズの形を残す検証】
メーカーによると
「オーブン焼きのようにマヨネーズの形を残すとオメガ3の効果が残る」ということでしたね。
そこで、どのようなパターンで調理したらマヨネーズの形状が残りやすいかを2通り検証しました。
<アルミホイルの包み方の違い>
ホイルに包みオーブンに入れるときに

ホイルを開いたままオーブンに入れるパターンと ホイルを閉じてオーブンに入れるパターン
②
結果:ホイルを開いたままオーブンに入れた方がマヨネーズの形が残る。
ホイルを閉じた方はマヨネーズの形も崩れており、汁の中にマヨネーズが溶け出しています。
ホイルを開いたままオーブンで焼いた方は比較的きれいにマヨネーズの形状が残りました。
<マヨネーズと味噌のバランス>
メカジキにマヨネーズと味噌を塗るときに、味噌だけでは塗りにくいのでマヨネーズを混ぜてから塗るレシピが多いのですが、そのバランスを変えて焼いてみました。
レシピの材料は【マヨネーズ:味噌】が【大さじ3:大さじ1】の量です。
< >マヨネーズ(大さじ3)、味噌(大さじ1)を全て混ぜるパターンマヨネーズ(大さじ1)、味噌(大さじ1)を混ぜて塗り、その上に残りのマヨネーズ(大さじ2)をかけるパターン。

↑焼く前の写真 ↓オーブンで焼いた後の写真
結果:②の方がオーブンで焼いた後にマヨネーズの形状が残った
< >の方はマヨネーズの固形の部分の形が崩れてしまっていますが、の方はしっかりとマヨネーズの固形の部分の形が残りました。オーブンを200度に予熱する。メカジキをアルミホイルの上に置き、汁がこぼれないよう周りを高くする。味噌、マヨネーズを 各おおさじ1ずつまぜて、メカジキの表面に塗る。残りの大さじ2のマヨネーズを上からかける。オーブンの予熱か終わったら12分加熱する。オーブンにより10分~15分が目安なので加減してください。
他にも、タラ、ヒラメ、カレイなどの白身魚やマグロの赤身はオメガ3系の油が少ないのでオメガ3入りマヨネーズとの相性がいいです。
また、鶏肉との相性もいいです。鶏肉は加熱されにくいので、小さめのそぎ切りにする、またはオーブンの焼き時間を増やしてください。
【まとめ】
こちらのレシピで使用する1人分のオメガ3系の油の量は、メカジキ約1.0g、マヨネーズで約3.0g、合計で4.0gほどです。
ここから、一般的な調理の加熱による油の損失20%を考慮した場合、
(1.0+3.0)×0.8= 3.2
摂取できるオメガ3系の油は推定3.2gです。
オメガ3系の1日の摂取目安(2.2g)をオーバーしていますが、
EFSA(欧州食品安全機関)によると、
オメガ3系油の安全の上限は5gなので、
問題なく安全に食べることができます。
ぜひ調理してみてくださいね
2025-02-28 11:02:37
体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油のレシピと豆知識~
2025年1月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
新しい年が始まりました。みなさま、今年もよろしくお願いいたします。
先月号でえごま油、あまに油の市販品の実際について特集したので今月は雑学コラムとレシピについて載せたいと思います。
【αリノレン酸のコラム】
αリノレン酸は魚油ではなく、限られた植物の種子(亜麻、えごまなど)に多く含まれる脂肪酸で、その内の1割が体の中でDHA・EPAに変化することで知られています。

その1割という数字は低いように感じますが、αリノレン酸からEPA DHAへの変換について調べてみると次のような見解がありました。
・EPA、DHAには、身体に必要な適切量が変換されるという説
・日本人は遺伝子の問題で、不飽和化酵素の働きが弱いため、α-リノレン酸からEPA、DHAに変換される量は少ないのではないかという説
日本は周囲を海で囲われています。
昔の生活の中では海産物を食べる機会が多く、EPA・DHAに関しては、α-リノレン酸から変換されなくても、摂取することが可能でした。
そのため、変換能力が衰えたと考えている方もいました。(憶測です)

はっきりとは、まだ解明されていませんがとても興味深いですね。
えごま油、あまに油のそれぞれのおすすめレシピを紹介します。
【えごま油を使ったレシピ】
和風ツナトマトサラダ
●材料 2人分
中玉トマト 1つ(ミニトマト 5つ)
きゅうり1本
ツナ缶 1つ
めんつゆ 適量
えごま油 小さじ2杯
- きゅうりは塩もみして水気をよく切る
- トマトを一口サイズにしてツナ、きゅうりとあえる
- めんつゆえごまあぶらで味を付けたら完成

【あまに油を使ったレシピ】
あったか 具だくさんコンソメスープ
●材料 2人分
キャベツ 1つかみ
人参 1/4本
ウインナー 2本
コンソメ1粒
水 適量
あまに油 小さじ2杯
- キャベツ、ニンジン、ウインナーは1口サイズに切ります。
- コンソメ1キューブと10分ほど一緒に煮込みます。
- 器によそったら、食べる前にあまに油をたらして完成

【ポイント】
オメガ3は熱に弱いです。えごま油やアマニ油に含まれる「α-リノレン酸」は熱に弱く酸化しやすいため、食事に取り入れる際は一緒に煮込んだりせずに、
食べる直前に垂らすことでより多く吸収することができます。
サラダやスープなどにそのままかけて食べるのがおすすめです。
【あぶらと相性のいい野菜】
えごま油とあまに油と相性の良い野菜についてお伝えします。
これらの野菜は、油の風味を引き立て、栄養価を高める組み合わせとしておすすめです。
えごま油との相性が良い野菜
- ほうれん草:えごま油と組み合わせることでビタミンKや鉄分の吸収を助けます。えごま油の軽いナッツのような風味が、ほうれん草のほろ苦さとよく合います。
- ブロッコリー:ビタミンCと食物繊維が豊富なブロッコリーは、えごま油の軽い風味とバランスが良く、栄養価を補完し合います。
- トマト:トマトの酸味がえごま油のナッツの風味を引き立てます。また、トマトには抗酸化作用のあるリコピンやビタミンA,Eが含まれているので、油と一緒に食べることで吸収がアップして抗酸化作用に働きかけます。
アマニ油との相性が良い野菜
- ケール:ケールはビタミンA、C、Kが豊富で、アマニ油のややスパイシーな風味と相性が良いです。
- 人参:人参はβカロテンが豊富で栄養素の吸収を助けます。
また、ニンジンの甘みがアマニ油の独特な風味を和らげてくれるのでスープやサラダやスムージーに加えるのもおすすめです。
- アボカド:アボカドのクリーミーな食感とアマニ油のナッツ風味が絶妙にマッチします。アボガドには抗酸化作用のあるビタミンEが含まれているのでオメガ3脂肪酸と健康脂肪の組み合わせで、心血管系の健康に良いとされています。

【えごま油、アマニ油の摂取目安】
1日に必要な「オメガ3 」の目安は
1日小さじ1杯です。
これは魚で例えるとアジ約3匹分に相当します。毎日魚を食べることが理想ですが、魚を食べられないときはえごま油やアマニ油などの健康オイルでオメガ3を補ってみましょう。
【まとめ】
・えごま油あまに油からとれるαリノレン酸の約1割が体の中でEPAに変化します。
・オメガ3系は熱に弱いという特徴があります。サラダなどの熱を加えないお料理や、温かいお料理のうえに垂らして食べることがおすすめです。
・相性のいい野菜もあるため、献立を考えるときの参考にしてみてください。
今年もみなさまの健康と幸せを願っております。寒い毎日が続くので暖かくしてお過ごしください。
2025-01-22 13:05:12
体にいい油をとろう
~あまに油・えごま油の市販品~
2024年12月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
【前回のまとめ】
動脈硬化の反応は「炎症」と密接な関係にあります。
「炎症反応に関与するアラキドン酸を生成するリノール酸」を含む
オメガ6系のあぶらをとり過ぎないようにして、
「抗炎症作用のあるα-リノレン酸、EPA、DHA」オメガ3系のあぶらとって食生活のバランスをとりましょう。
主な種類は、
オメガ6(大豆油、サラダ油、なたね油、コーン油)
オメガ3(アマニ油、えごま油、青魚)
もっと詳しく知りたい方は、8月号にも詳しく記載しています。
【前回の補足】
前回のページ3にある表について①トロンボキサンA3、②トロンボキサンA2についての補足があります。
- トロンボキサンA3は、先月号3ページ表の左側EPAから生成されるエイコサノイドの一種です。トロンボキサンA3は、トロンボキサンA2と比較して血小板凝集作用が弱く、血管拡張作用が強いことが知られています。そのため、トロンボキサンA3の生成が増えると、血栓形成のリスクが低下し、心血管系の健康に良い影響を与えるとされています。
また、トロンボキサンA3は炎症抑制作用も持っており、EPAの摂取が増えると体内での生成が促進され、炎症性疾患のリスクが減少することも期待されています。
②トロンボキサンA2の生成はアラキドン酸が関与しています。
トロンボキサンA2には血液凝固と血管収縮を促進する役割があります。これにより、出血を防ぐ効果がありますが、過剰になると、
血栓症や心血管系の問題のリスクが高まりますが動脈硬化はこの過剰なトロンボキサンA2が関与しています。体内に関与しているアラキドン酸はオメガ-6脂肪酸の一種ですが、これが酸化されることでトロンボキサンA2が生成されます。
補足のまとめ
高い抗炎症作用を持つオメガ-3脂肪酸と比較して、オメガ-6系の脂肪酸は炎症を促進する傾向があります。バランスの取れた摂取を心がけましょう。
オメガ3、オメガ6の関係がみえてきたところで
今回は
スーパーで見つけた「αリノレン酸」の各メーカーの特徴につてランキング方式で載せたいと思います。
【スーパーで見つけたαリノレン酸】
市販でαリノレン酸が豊富に含まれているえごま油、アマニ油があります。
実際にスーパーに行って①
メーカーの種類と②値段と③含有率を調べてみました。用途に合わせたランキングも用意しました。
●アマニ油編 3つ
①メーカー
日清オイリオ アマニ油
産地 カザフスタン、ロシア
②値段
50g299円(100g=598円)
145g699円(100g=482円)
320g1690円(100g=528円)
③含有量
小さじ一杯 4.6gあたりαリノレン酸2.5g
ニップン アマニ効果
産地 カナダ
②値段 180g 799円(100g=478円)
③含有量 4.6g あたりαリノレン酸2.76g
フラットクラフト アマニ油
産地 イタリア
②値段 320g 899円(100g=303円)
③含有量4.6gあたり2.2~3.0g
3つのメーカーの亜麻仁油、それぞれどんな特徴があるかランキング方式でまとめてみました。
【生産地について】
日本ではあまり亜麻仁油の生産はされていないため各メーカーの産地について調べてみました。
カナダ: 世界最大の亜麻仁油の生産国の一つで、高品質の製品が多いです。
カザフスタン: 広大な農地と適した気候条件により、亜麻の栽培が盛んです。輸出も盛んであり、国際市場での評価も高いです。
ロシア: 亜麻の伝統的な生産国の一つで、特に北部地域での栽培が盛んです。品質も良好です。
イタリア:イタリア産の亜麻仁油は、特にトスカーナ地方で生産されており、その品質は世界中で評価されています。
【結果】どの産地の油も品質が保たれているようです。産地によって香りのつよさなどが異なるため、お試して好みの違いをみつけてみてください。
●えごま油編 3つ
①メーカー 日清オイリオ 有機えごま油
産地 アメリカ・イタリア 国内製造
②値段145g 990円(100g=732円)
- 含有量4.6g あたりαリノレン酸2.5g

- メーカー 紅花食品 荏胡麻油
産地 北海道
②値段170g 799円(100g=507円)
産地 静岡県
②値段170g 849円(100g=538円)
③含有量 4.6g あたりαリノレン酸2.76g

えごま油は国内産のものが多くマイルドと言われています。
来月は具体的なえごま油、亜麻仁油を使ったレシピを特集します。
みささま、今年も大変お世話になりました。
あたたかくして良いお年をお迎えくださいね。
2025-01-22 11:28:33
イヌイットに学ぶオメガ3
2024年9月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
先月号では
「体にいい油」=オメガ3があり、その中には魚の油の成分である
EPA,DHAとアマニ油やえごま油に含まれる
αリノレン酸があるという内容でした。
今回はオメガ3のルーツについて深堀していきましょう。
【オメガ3の歴史】
オメガ3の重要性がわかってきたのは、寒い地方に住むイヌイットの食生活からでした。
以前、オランダやイギリスの研究者JørnDyerbergたちは、イヌイットは
「世界一脂肪の多い食事をしているのに、なぜ心臓病にならないのか」と
首をひねっていました。
そこで1976年、研究者たちは、グリーンランドの僻地に住むイヌイットの調査に出かけました。
すると、彼らは依然として脂肪の多い伝統的な食事をしていました。
1年のほとんどが氷に覆われている北極地方では、
現代のように交通機関が発達する前の食事は“冷たい海の魚、アザラシ、セイウチ、シロクマの生肉”でした。
氷の世界ですから、穀物や野菜はありませんでした。
このような脂の多い食生活をしているイヌイットの人々は、なぜか現代の生活習慣病と言われる糖尿病、高脂血症、動脈硬化などはほとんどなく、心筋梗塞や脳梗塞にかかることはあまりなかったようです。
【イヌイットの血液中にはオメガ3(EPA/DHA)が多かった】
その後の研究で、
「グリーンランドに住むイヌイットは心臓のトラブルが非常に少ない」けれど
「デンマークに移住したイヌイットでは、心臓系の病気がデンマーク人と同じくらいに増加していた」ことがわかりました。
動脈硬化の指標の一つに、「 EPA/AA比 」 というのがあります。
EPAは動脈硬化を抑制しますが、アラキドン酸(AA)は炎症を引き起こし、動脈硬化を促進するように働きます。
そこで両者の血液を調べてみると、グリーンランドの先住民では、EPAがアラキドン酸とほとんど同じ比率(0.94)であったのに対し、デンマークに移住した先住民ではEPAの割合が極端に少なくなっており(0.1)、このことが原因で、心臓のトラブルが激増していたことが確認されました。
この違いは、
グリーンランドではアザラシやセイウチなどの海獣の肉を食べているのに対し、デンマークでは豚肉や牛肉などの欧米型の食事をしているということだったのです。
イヌイットが食べていた
“冷たい海にすむ魚” “アザラシ” “セイウチ”は多価不飽和脂肪酸オメガ3の脂肪(EPAやDHA)が豊富でした。
これらの脂肪は海の生物、魚や海獣の細胞膜を透過性の高くして、体の組織を柔軟にし、さらに体温調節機能のために役立っています。
これはグリーンランドのような冷たい海では海の生物に必須の要素なのです。
【日本では】
日本でのEPA/AA比 の平均は次に示す表のようになっています。

比較的魚を食べている年代ではEPA/AA比の平均値は0.61となっていますが、食生活の欧米化が気になる30代ではEPA/AA比の平均は0.27と低く出ています。
当院では年に一度の動脈硬化の検査の時に、動脈硬化が進行している方は脂肪酸を測定しています。
動脈硬化の治療で処方される薬剤の“EPA製剤”ですが、
その薬の効きがいいとされるEPA/AA比は0.62以上といわれています。
J-STAGEの頸動脈にプラークのある患者さんを対象にした研究では、EPA/AAが0.4以下になると血種優位な不安定プラークとなり、EPA内服するとこの血種が改善されたという結果から、
EPAはプラーク内出血に有効といわれています。
また、他の研究でもスタチン系のコレステロール製剤を内服していてLDLコレステロール値は十分下がったけれど、それでも心疾患にかかってしまった患者さんはEPA製剤にによるEPA/AA比の介入を推奨されています。
今とても注目されているEPA/AA比なので、一度ご自身の結果を確認してみましょう。
【日本でいい油をとるには】
オメガ3の脂肪酸は、民族や年齢に関係なくすぐに身体の組織の中に取り込まれることが研究でわかっています。
厚生労働省によるDHA・EPAの1日の摂取量目安は「1000mg」と記されています。
国民栄養・健康調査をもとに「EPA・DHAの男女・世代別の平均摂取量」をグラフ化にしてみました。
【日本人のEPA DHA平均摂取量】
その結果は、どの世代も“1000㎎”未満で目標達成しておりませんでした。

男女比で比べてみると、どの世代においても男性の方が女性よりも摂取できていました。
どの世代が多く摂取できているか?については、前のページの図で示した「EPA/AA比」の結果に比例するように、
70歳以上の平均摂取量が高いという結果でした。
「高齢者のほうが魚を多く食べている」世間のイメージはそのまま数字で反映されていすことがわかります。
どの世代においても、意識的に体にいい油を摂取することが大切ですが、
日本でオメガ3系の体にいい油をとるにはどの方な方法があるのでしょうか。
- 青魚をたべること
- いい油をとること
- サプリで補充すること が考えられます。
具体的な食事からの摂取方法については次回詳しくまとめます。
2024-08-15 10:45:55
体にいい油をとろう
2024年8月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
前回は血圧をコントロールする薬や血圧を下げる食事について特集しました。
今回は血圧を下げる働きのある“DASH食”でも少し触れた“体にいい油”について特集したいと思います。
まずは、主な油脂の分類についてです。
【脂肪酸の分類】
油脂はどれも1g=9kcalですが、それぞれ違う性質をもっています。
油脂を主に構成している脂肪酸の種類が異なるからです。
脂肪酸は、大きく 飽和脂肪酸 と 不飽和脂肪酸 に分けられます。
不飽和脂肪酸は、炭素間の二重結合がありますが、その二重結合のまわりの構造の違いにより、
シス型とトランス型に分けられます。
【シス型とトランス型】
脂肪酸の場合は、水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんでどの位置にいるかで
トランス型とシス型に分けられます。
トランス(trans)とは“あちら側” ”横切って”という意味で、炭素(C)の二重結合に対して水素原子(H)が反対側にあるものです。
シス(cis)とはラテン語で“同じ側の” ”こちら側”という意味で、炭素(C)の二重結合に対して水素原子(H)が同じ側にあるものです。
そしてこれが二重結合のあそび、ゆらぎで示される部分になります。

【飽和脂肪酸】
以前にトランス脂肪酸について特集した際に、常温で固体の脂は、主に動物性油脂に多いことをお話しましたが、この固体の脂は、まさに「飽和脂肪酸」です。二重結合がなく、きっちりと密になって整列しているため常温でも固まりやすい状態です。
飽和脂肪酸を多く含む食品としては、バターなどの乳製品やラード、ココナッツオイル、カカオバターなどがあります。
【不飽和脂肪酸】
“二重結合”を持っている脂肪酸と言う意味です。
上記に示した通りに、二重結合とはトランス型、シス型とありますが、その二重結合が少ないと脂肪酸同士がきっちり整列できるので、常温で固まりやすくなります。
反対にシス結合のような結合が多いと、ゆらぎがあるため固まりにくい状態となります。

さらに不飽和脂肪酸は、1個の二重結合を持つものを 一価不飽和脂肪酸 と、2個以上持つ 多価不飽和脂肪酸 に分けられます。
【一価不飽和脂肪酸】
一価不飽和脂肪酸を多く含む油脂の代表的なものはオリーブオイルやこめ油です。最近では、品種改良した一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富に含まれているベニバナ油やヒマワリ油などもあります。一価不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸に次いで固まりやすいため、オリーブオイルを冷蔵庫で保存すると白く濁ってしまいます。
飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸の一番の役割はエネルギー源です。これらのあぶらは直接摂る以外に、私たちの身体の中でも炭水化物から作ることができます。消費するエネルギー以上に取っている場合には体重を増加させているので気を付けましょう。
【多価不飽和脂肪酸】
不飽和脂肪酸のうち、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は 「必須脂肪酸」 といわれています。この二つの必須脂肪酸は、
体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。

【
オメガ3の種類-EPA、DHA、α-リノレン酸 】
オメガ3(n-3系脂肪酸)は、皮膚の健康を助ける栄養素として2015年4月より、「栄養機能食品」の対象成分になりましたが、現代の日本の食生活では、食生活の欧米化により、オメガ6(リノール酸)を多く摂る傾向があり、オメガ3(α−リノレン酸)は不足しがちです。
EPAとDHAは先月号の表に記載しているように
アジ、イワシ、サバなどの青魚に多く含まれることで知られています。
α-リノレン酸は、
えごま油やアマニ油などの植物性の食品に多く含まれており、体内に入ると一部EPA、DHAへと変換されますが、そのEPAやDHAは生活習慣病の予防に効果的と言われています。
EPAは、脳卒中を二次予防する効果があることが国内のJELIS(Japan EPA Lipid Intervention Study)という研究で示されました。
また、心臓病のリスクを減少させる可能性があります。
これらの脂肪酸は血中の中性脂肪レベルを下げる、血圧を改善する、抗炎症作用を持つことで知られています。
また、DHAは脳の健康をサポートし、認知症やアルツハイマー病のリスクを減少させることが知られています。
【オメガ3の割合】
次のページの表のとおりに「えごま油」や「アマニ油」は脂肪酸の構成比のうち約6割にα-リノレン酸が含まれています。えごま油やアマニ油を意識的に摂取することで、不足しがちなオメガ3を効率的に取り入れることができます。

【まとめ】
体にいい油はオメガ3系です。
オメガ3系の中には、EPA、DHA,αリノレン酸があります。
食事から摂取する方法は「EPAやDHAが豊富に含まれている青魚、αリノレン酸が豊富に含まれているえごま油、アマニ油を意識する」です。
次回はオメガ3についてイヌイットでの例をまとめていきたいと思います。
2024-08-15 10:24:33
管理栄養士 久米 陽子
先月に引き続き油脂についてです。今回は油脂の種類・特徴などについてお話したいとおもいます。
【飽和脂肪酸】
飽和脂肪酸は肉や乳製品の脂肪に多く含まれます。常温では固体で存在します。過剰に摂取すると血液の粘度を高めて流れにくくします。そのうえ中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の合成を促し、これらが血管壁に入り込みやすくします。そのため摂りすぎは、動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病につながります。また、極端に摂取しないと血管がもろくなりやすくなる為、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を、バランスよく摂る必要があります。
【飽和脂肪酸を多く含む食品と摂取量ボーダーライン】
動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く含まれています。特にバターや牛脂、ラードなどの調理油には多く含まれています。バターは重量の約半分が飽和脂肪酸、牛脂やラードは40%、生クリームやチーズ類は15~25%、マーガリンは22%、ショートニングは約34%の飽和脂肪酸が含まれています。
厚生労働省の基準では、成人男性・女性ともに食品摂取エネルギーのうち4.5%~7.0%を飽和脂肪酸から摂取することが推奨されています。
例えば、運動量が少なく体も小柄の人が1日に1300Kcalを食品から摂取するなら、そのうちの58.5Kcal~91Kcalを飽和脂肪酸から摂取することが目安となります。運動量が多めで体格も大きめの方が1日に2000Kcalを食品から摂取するなら、そのうちの90kcal~140kcalを飽和脂肪酸から摂取することになります。
脂肪は1g=9kcalですので、食事量が少ない方は飽和脂肪酸を6.5~10g、食事量が多めの方は10~16g摂取すれば良い事になります。例えばバターは約50%が飽和脂肪酸で出来ていますので、バターだけから飽和脂肪酸を摂取すると、食事量が少ない方は13~20g、食事量が多めの方は20~32g摂取すれば1日分になってしまいます。取り過ぎには気をつけたいですね。
食品の置き換えとして、サーロイン→ヒレ肉に、鶏もも肉→鶏むね肉やささみに、牛乳→低脂肪牛乳に、動物性生クリーム→植物性生クリーム、バター→植物油 にすることもおすすめです。
【不飽和脂肪酸】
魚類や植物油に多く含まれていて、常温では液状で存在します。一価不飽和脂肪酸(オリーブ油など)と多価不飽和脂肪酸に分けられ、さらに多価不飽和脂肪酸には、n-3系脂肪酸(EPA、DHAなど)やn-6系脂肪酸(大豆油やコーン油)などの種類があります。
エネルギー源や身体の構成成分となるほか、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きがあります。また一部の多価不飽和脂肪酸には、脳神経の発達やアレルギー症状の緩和を助けるなど、ほかの脂肪酸にはない有効な働きがあります。
2016-03-03 11:47:28
【不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸】
オレイン酸 (オメガ9)
・紅花油(オレイン酸含有量 74~80%)
・オリーブオイル(オレイン酸含有量 59~80%)
・なたね油(オレイン酸含有量 60~65%)
・こめ油(オレイン酸含有量 42~44%)
余分なコレステロールを運び出す善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らすといわれています。
酸化しにくい特徴があり、体内でもつくることができます。
【今月の料理】
たっぷりとゆで大豆を入れたカレー。材料をいためて煮込めば作れる簡単
レシピ。カレー粉としょうがを使えば香りよく仕上がりますが、市販のカレー
ルーでも大丈夫です。通常はひき肉メインで作るキーマカレーにゆで大豆
を使えば、飽和脂肪酸は控えつつ食物繊維がとれますよ。
| <ゆで大豆入りキーマカレー> (2人前) |
調理方法
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ゆで大豆(市販品)
牛ひき肉
玉ねぎ
トマト
エリンギ
サラダ油
にんにく(みじん切り)
小麦粉
カレー粉
しょうが(すりおろす)
ローリエ
酒
湯
ウスターソース
しょうゆ
塩・こしょう
温かい胚芽精米ご飯
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100g
40g
小1個(100g)
200g
70g
小匙2
小1かけ
小匙2
大匙1
1かけ
1枚
大匙1
1カップ
小匙1と1/2
大匙1
各少々
400g |

エネルギー:615Kcal
炭水化物:101g
蛋白質:21.3g
脂質:13.6g
塩分:2.1g
食物繊維:10.2g
飽和脂肪酸:2.56g
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① 野菜とエリンギは1cm角に切る。
② 鍋に油とにんにくを入れて香りよく炒め、玉ねぎ、ひき肉を加えてさっと炒める。小麦粉をふり入れ、カレー粉の半量を加えてさらに炒め合わせる。
③ トマト・エリンギ・A・ゆで大豆を加え、ときどき混ぜながら煮る。煮立ったら弱火にし、15分ほど煮込む。残りのカレー粉とBを加え
調味する。
★市販のカレールーを使う場合は小麦粉とカレー粉とBは使わない。作り方②でひき肉を炒めた後、作り方③に進み、煮込む前にルーなどを加えて味をみながら仕上げると良いです。
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2016-03-03 10:49:31
管理栄養士 久米 陽子
揚げたり、炒めたり・・・。調理には欠かせない油脂ですが、さまざまな種類があり、どれを購入したらよいのか迷ってしまうほど。今回は油脂の性質や種類についてお話します。
【目に見える油と見えない油】
目に見える油・・・・・ドレッシング・バター・肉や魚の脂・揚げ物
目に見えない脂・・・・お菓子・パン・カレー等のルー・乳製品・穀類や豆類に含まれる
見えない油は、どんな油脂がどのくらい含まれているか把握できず、摂り過ぎる恐れがあります。
日本人は1日平均50~60gの油脂を摂取していますが、このうち見えない油が8割以上、多い人では9割を占めていると考えられています。
【調理油はできるだけ減らすべき?】
日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日に摂取する総エネルギーに対して、脂質からのエネルギーが占める割合を20~30%の範囲にすることを目標としています。「見えない油」の摂取量を差し引くと、調理油として1日に使える量の目安は成人女性で10~20g程度。大さじ1~2杯になります。
油脂をとり過ぎている人が多い一方、「血中のコレステロールを上げないため」に調理油の使用を控える人もいます。では、調理油はコレステロールを上げるのでしょうか?答えはNOです。調理油の中でも特に植物油はコレステロールを含まず、私たちが日常よく使う種類の油では血中のコレステロールは上がりません。もちろん、大量に摂取すれば肥満につながり、その結果、血中コレステロールが上がることはあります。
ダイエットのために調理油を極端に控える人もいますが、油脂は炭水化物に比べて消化に時間がかかり、食後の急激血糖値の上昇をおさえられます。なにより、腹持ちがよくなるのが油脂の特徴です。ダイエットの時にも調理油を適量摂取するほうが良いでしょう。
また、脂身の多い肉を食べすぎると、飽和脂肪酸を摂取しすぎて、血中のコレステロールが上がってしまいます。
【疲れた油 5つのチェック法】
①嫌な臭いがしませんか?
加熱時に枯れ草や塗料のような油臭い不快な臭いがしたら疲れた証拠です。
②色が濃くなっていませんか?
疲れた油は色が濃くなります。とくに魚などの揚げ物をすると着色が強くなります。
③ねばりが出ていませんか?
温度が下がったときに、ねばりが出てきたら油が疲れている証拠です。
④泡が消えにくくなっていませんか?
ただし、新しい油でも天ぷらの衣に卵を多く使ったり、揚げだねによっては消えにくいカニ泡ができます。
⑤180℃ぐらいで煙がでませんか?
180℃は天ぷらを揚げる温度です。新鮮な油は230~240℃までは煙はでません。
2016-02-02 15:25:17