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猪岡内科コラム

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リバウンドの正体とそれを防ぐ2つのカギ

リバウンドの正体とそれを防ぐ2つのカギ
 
2026年3月号
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
 
前回まで新しい糖尿病薬の「マンジャロ」について、従来薬のGLP-1製剤やインスリンとの違いと特徴・副作用・値段について連載してきました。
マンジャロはGLI-1、GIPの両方に作用するため「血糖値を下げる作用」のみでなく、「食欲も抑えるため体重も落ちやすい」薬剤です。
そのため肥満の治療薬としても広く使われるようになりました。
また週に一度の注射で効果を発揮するため、患者さん自身、お薬の管理がしやすいという特徴もあります。
一方で、マンジャロをやめたら体重が元に戻ってしまう、または、元の体重よりも増えてしまうという症例も報告されて注目が集まっています。
 
今回はそのような「よくある悩みと誤解」について、なぜリバウンドが起こるのかを最新の研究から説明し、医療的に有効な運動と食事の戦略を紹介します。
 
なぜ体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまうのか】
先述の通り、マンジャロなどのGLP-1・GIP受容体作動薬を使うと、体重減少効果が期待できますが、このとき体で起きているのは「脂肪だけが減っている」状態ではありません。
人の体はエネルギーが足りなくなると、脂肪と同時に筋肉も分解して使うという仕組みをもっています。
これはマンジャロ特有の作用ではなく、食事制限だけで体重を落とした場合でも、同じことが起こります。
アメリカの栄養学会やハーバード大学の研究では、
①食事制限のみの減量
②GLP-1受容体作動薬による減量
①②いずれの場合も、体重減少の約2〜3割は筋肉の減少であることが示されています。
つまり「体重が減った = 脂肪だけが減った」とは限らないのです。

 
なぜ筋肉も一緒に落ちてしまうのでしょうか。
食事制限をしたり、マンジャロで食欲が落ちて食事量が減ると、体はそれを
「飢餓に近い状態」と判断します。
すると、体は生き残るために次のような反応を起こします。
・エネルギー消費を減らす
・使われやすい筋肉を分解してエネルギーにする
・基礎代謝を下げる
 
少しのエネルギーでも多く生きられるようにというエコモードになろうとします。筋肉は、何もしなくても多くのエネルギーを消費するため、体はエネルギー不足になると筋肉を減らそうと働きます。
 
この状態でマンジャロをやめたり、食事量が元に戻るとどうなるでしょうか。
①食欲は戻る ②でも筋肉は減ったまま となります。

この状態のまま、食事量が増えて元の体重に戻った時には、同じ体重でも筋肉が減って脂肪が増えている
「代謝の悪いからだ」になっています。
このようにリバウンドすると以前よりも太りやすい状態になっています。
 
【マンジャロが悪いわけではない】
ここで大切なのは、「マンジャロが筋肉を減らしているわけではない」という点です。マンジャロは、①食欲を抑える②血糖を改善する③体重減少を助ける
働きのあるとても有効な治療薬です。

マンジャロでも食事制限でもエネルギー不足が起きれば、運動をしない限り筋肉も一緒に減ってしまうので筋肉を守る対策を一緒に行うことが大切です。
 
【筋肉を守る2つの鍵】
筋肉を落とさないようにする2つのカギを紹介します。
今月号で一番のメインになるのでぜひみなさん意識してみてください。
 
運動(筋トレと有酸素運動)
大きく分けて筋トレと有酸素運動がありますが体重を落とす際に筋肉量をできるだけ守ることが、リバウンドを防ぎ、健康的な体重管理につながります。
●筋トレの役割
筋トレは、筋肉に刺激を与えて筋タンパク合成を促し、筋肉量低下を防ぎます。★ポイント  週2〜3回、1回20〜30分、大きな筋群を中心に
スクワット(自重から) 腕立て伏せ(膝つきでもOK) プランク

運動強度は「少し息が上がるけれど会話ができる・翌朝軽い筋肉痛がある」
くらいが目安です。
 
●有酸素運動の役割
有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)は脂肪燃焼をサポートします。★ポイント 週150分以上(例:30分 × 5日、50分×3日)
筋トレと組み合わせることで脂肪を落としながら筋肉を守る効果が高まります。
 
 
タンパク質をしっかりとる
筋肉の材料はタンパク質です。
食欲が減り食事の量が減ったり、食事制限でタンパク質が不足すると、
筋肉はさらに分解されやすくなるなり、運動しても筋肉が守られにくくなります。
減量中こそ、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品を意識してとることが重要です。
「体重1kgあたり1g前後」を目安に、毎食少しずつとることが勧められています。
★タンパク質をこまめに摂る毎食のポイント
●朝食→牛乳、ヨーグルトをプラス
ギリシャヨーグルト 100〜150g →タンパク質10〜15g
牛乳200ml → タンパク質約6〜7g
豆乳200ml → タンパク質約7g
 
●昼食→うどんに卵とじをプラス
卵1個→タンパク質約6g
ほうれん草・ネギ・きのこを足すと鉄分・食物繊維も増え栄養バランスもアップ
 
●夕食→サラダには蒸し鶏をプラス
鶏むね肉 50g→タンパク質約11g
 

これでタンパク質プラス20~30gを意識した食事になります。
 
【まとめ】
体重が減っているときは筋肉を守ることがとても大切です。
①筋トレ ②有酸素運動 ③食事にタンパク質をプラスの3つのポイントを意識しましょう。「暖かい日は外に出る」などできることから始めていきましょう。
 
 

2026-03-15 13:05:22

新しい糖尿病薬マンジャロ 副作用と薬価を解説

新しい糖尿病薬マンジャロ 副作用と薬価を解説
2026年2月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
前回までは「インフルエンザ」のお話と「糖尿病のシックデイ」についてを特集いたしました。
そしてその前の2025年10月、11月号では、新しい糖尿病のお薬「マンジャロ」について特集しました。インスリンとの違いなど要点を振り返ってみましょう。

・インクレチン製剤では「体重が減りやすい」「低血糖の心配が少ない」
(アマリールなどインスリンを出す薬やインスリンとの併用時は低血糖の可能性あり)
・インスリンでは「体重が増えやすい」「低血糖の可能性がある」
それぞれが担う役割や目的は異なり、どちらも糖尿病治療には欠かせない大切な薬です。
 
今回は、①マンジャロをはじめとするインクレチン製剤の副作用について、
気になる②治療費用について解説していきます。
 
【マンジャロの副作用】
主なものは以下の通りです。
①消化器系
吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの症状がみられます。
マンジャロに含まれる「GLP-1」は、膵臓にインスリン分泌を促す働きをするほか、胃の運動をゆっくりにする作用があります。これにより血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感を感じやすくなり、自然に食欲が抑えられます。
その一方で、胃の動きが抑えられることで、吐き気やもたれ、便秘・下痢などの症状が出ることがあります
副作用の発現頻度(臨床データ)
吐き気  約 10〜20%  嘔吐   約 5〜10%
下痢   約 5〜15%   便秘   約 5〜10%
多くの場合は薬を注射した最初の数回でみられ、体が慣れる数日~数週間で軽くなることが多いです。症状が強い場合は無理せずに医師に相談してくださいね。


②低血糖のリスク
インクレチン製剤は、食事に反応して血糖を下げる仕組みのため、単独では低血糖のリスクは少ないとされています。しかし、インスリンやSU剤(アマリール)などと合わせて内服する時に低血糖が起こることがあります。
複数の薬で治療している場合は注意しましょう。
 
③気分の変化
まれに、気分が沈んだり元気が出にくく感じる方もいます。
体重や食欲の変化、薬の影響が重なることで、一時的に気分が落ち込みやすくなることがあります。
「もしかして薬の影響かも」と思ったら、無理せず医師やスタッフ、家族に相談してくださいね。薬の量を調整したり、サポートで改善できる場合があります。
 
どんな薬にも副作用はありますが、その症状が強い場合は調整や切り替えも可能です。
気になることは我慢せず、遠慮なくご相談ください。
 
【マンジャロの治療費について】
保険診療で扱われる薬の価格(薬価)は、国によって定められており、毎年4月に見直し(薬価改定)が行われています。
発売直後の新薬は、最初は少し高めに設定されますが、時間とともに調整されて少しずつ下がる傾向です
マンジャロは2023年に発売されたばかりなので、現在は少し高めです。


①マンジャロ1本あたりの薬価を用量別に表にまとめました。
製品名
 
薬価(円)
 
自己負担1割
 
自己負担2割
 
自己負担3割
 
マンジャロ皮下注 2.5mg
 
1,924
 
192
 
384
 
577
 
マンジャロ皮下注 5mg
 
3,848
 
385
 
770
 
1,154
 
マンジャロ皮下注 7.5mg
 
5,772
 
577
 
1,154
 
1,732
 
マンジャロ皮下注 10mg
 
7,696
 
770
 
1,539
 
2,309
 
マンジャロ皮下注 12.5mg
 
9,620
 
962
 
1,924
 
2,886
 
マンジャロ皮下注 15mg
 
11,544
 
1,154
 
2,309
 
3,463
 
※保険診療では薬価以外に、診察料・検査料・管理料などが加わります
 
上の表では用量が増えるほど薬価も少しずつ上がります。
保険負担の割合は患者さん自身の年齢や加入している健康保険によって1割・2割・3割に分かれます。
 
②次の表ではマンジャロと従来のインクレチン製剤であるビクトーザとトルリシティとの薬価、取り扱いの手間を比較してみましょう。
製剤
 
注射の
頻度
 
一本の薬価
 
4週分の
薬価
 
自己負担3割
 
自己負担1割
 
マンジャロ 2.5mg
 
週1回
 
1,924円
 
7,696円
 
2,308
 
770
 
マンジャロ 5mg
 
週1回
 
3,848円
 
15,392円
 
4,618
 
1,539
 
マンジャロ 7.5mg
 
週1回
 
5,772円
 
23,088円
 
6,926
 
2,309
 
ビクトーザ
 
毎日1回
 
8,434円
 
11,808円
 
3,542
 
1,181
 
トルリシティ0.75㎎
 
週1回
 
2,749円
 
10,966円
 
3,299
 
1,097
 
トルリシティ1.5㎎
 
週1回
 
5,498円
 
21,922円
 
6,598
 
2,193
 
※保険診療では薬価以外に、診察料・検査料・管理料などが定められています
 
上の表からわかるそれぞれの特徴を、①手間と②費用の2つの視点から見てみましょう
 
①注射薬には、毎日打つタイプ週に1回打つタイプがあります。
毎日タイプ(ビクトーザ)は注射の回数が多くて負担は大きいですが、「毎日の習慣」にしやすく、続けやすいという方もいます。
一方で、週1回タイプ(マンジャロ、トルリシティ)は、注射の手間が少なく、忙しい方にも続けやすいのが特徴です。ただし、「いつ打ったっけ?」と忘れてしまうこともあるので、曜日を決めて固定するなどの工夫をすると安心です。
 
②値段の違い
また薬の用量によって薬価にも違いがあり、ざっくりと以下のようになっています。
ビクトーザ=トルリシティ0.75㎎<マンジャロ5㎎
トルリシティ1.5㎎=マンジャロ7.5㎎ 
マンジャロは「GLP1+GIP製剤」で従来のGLP1薬剤と比較して、「血糖値を下げる作用」「体重を減らす作用」がより効果的と言われています。
それぞれの薬の効果には個人差があるため、血糖、体重のほかに血液データ、動脈硬化の検査を含めて医師が診断して最適なお薬をご案内していますのでお任せくださいね。
 
医療費が高くなったときの対策(医療費控除)
糖尿病の治療では、薬代のほかにも定期検査や通院などで出費が重なることがあります。
もし1年間の医療費の合計が10万円(または所得の5%)を超えた場合は、「医療費控除」という制度を利用できます。相談窓口は税務署・市町村です。
 
【まとめ】
マンジャロは、GLP-1とGIPの両方の作用をもつ新しい糖尿病薬で、血糖コントロールと体重減少の両方が期待できます。
一方で、吐き気や便秘などの副作用が出ることもありますが、多くは時間とともに落ち着きます。
週1回の注射で続けやすい反面、用量によって費用が変わるため、無理のない治療計画が大切です。
医療費控除などの制度も上手に利用して、治療を続けやすくしましょう。
 

2026-02-09 09:38:53

糖尿病シックディの対応

糖尿病シックディの対応
2026年1月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
ますます寒くなってきておりますが、みなさま体調はいかがお過ごしでしょうか。
今回は糖尿病の方が体調を崩してしまった時、どのように対応したらよいか
をまとめていきます。
【糖尿病のシックデイ対応】
糖尿病の方にとってインフルエンザや胃腸炎などで体調を崩す「シックデイ」は
血糖値や水分バランスが崩れやすく、「高血糖」「低血糖」「脱水」「ケトーシス(ケトン体の増加)」のリスクが高まります。
「シックデイでは体にどんな変化が起きるのか?」
「日常では具体的にどうしたらいいのか?」
今回は日本糖尿病学会・主要国際ガイドラインの考え方に沿って、わかりやすく解説します。
 
【シックデイとは?】                                                                    
インフルエンザや胃腸炎などの感染症で、発熱・下痢・嘔吐・食欲不振があると、体の中ではさまざまな変化が起こります。
まず、食事や水分がとれない状態が続くと、血糖コントロールが難しくなり、脱水も進みやすくになります。
さらに感染により炎症反応が起きると、“ストレスホルモン”(カテコールアミン・コルチゾール)が増え、血糖を上げる方向に働きます。この時、体はエネルギー源として脂肪を分解し、ケトン体が増えやすくなります。
つまり、
食べられずエネルギー不足になること
② 炎症によるストレスホルモンの増加

この2つが重なることでケトン体が増え、体は酸性に傾きやすくなります。
 
さらに水分がとれずにいると脱水が進み、尿量も減ります。
尿として排泄されるはずのケトン体が体の中にたまってしまい、悪循環に入り、血糖コントロールはますます難しくなります。
こうした背景から、シックデイは高血糖・低血糖・脱水のリスクが一気に上がる状態なのです。
 
【自宅でできる対応】
血糖値の測定と尿ケトンのチェック
食事がとれない時や体がだるい時は、指先で血糖値を測り、尿の試験紙でケトン体をチェックしてみましょう。
血糖値が350㎎/dl以上が続いていたり、尿ケトンが出ていたら早めに受診をおすすめします。
血糖測定器、尿の試験紙は、インターネットでも購入することができます。
(インスリンや注射薬を処方されている方は保険適応で院内貸出を行っています。)
 
水分をこまめに飲む
ガイドラインでは「30分に100ml」が目安です。
コップ半分〜1杯を30分〜1時間かけてゆっくり飲みましょう。吐き気がある方はスプーン1杯ずつでOKです。
基本は「湯冷まし・水・麦茶・ほうじ茶」
脱水が強いときは OS-1
食事がとれず低血糖気味のときはポカリスエット・アクエリアスがおすすめです。
高血圧でも、短期のシックデイなら OS-1 の塩分はほぼ問題ありません。
 
飲み物を効果別に一覧にしてみました。
飲み物
 
糖分
 
塩分(電解質)
 
脱水改善
 
血糖への影響
 
OS-1
 
少なめ
 
多い
 

 
上がりにくい
 
ポカリ
 
多い
 

 

 
上がりやすい
 
アクエリアス
 
ポカリより少なめ
 

 

 
やや上がる
 
水・湯冷まし
 
なし
 
なし
 

 
上がらない
 
麦茶・ほうじ茶
 
なし
 
ほんのわずか
 

 
上がらない
 
●迷ったらこうしましょう
血糖が高い(250〜300以上)場合は
→ おすすめはOS-1、水・湯ざまし・麦茶・ほうじ茶、
避けるべきはスポーツドリンクやジュース、炭酸飲料
血糖が普通(100〜)場合は
→ OS-1、水・湯ざまし・麦茶・ほうじ茶、食事少ない日はスポドリ少量
血糖が低い/食べられない時
   → ポカリ or アクエリアスを水や麦茶と交互に飲む
脱水の場合(尿がでていない時)
     → 迷わず OS-1(最優先)

③ 自分の薬で“中止すべきもの”を把握
以下は一般的な方針(ガイドライン準拠)です。
シックデイ時の血糖変動は個人差が大きいので、処方されているお薬は事前に主治医と調整の仕方を決めておくことをおすすめします。
自己判断で中断しないようにしましょう。
 
●インスリン
インスリンは種類によって対応が異なります。

トレシーバ、グラルギン、ランタスなどの長時間効くタイプの基礎インスリンは中止せずにいつもの量を続けましょう。ただし、夜中、朝食前に低血糖が続いたら少しだけ下げましょう。
食事が食べられないときは、リスプロ、ノボラピット、アピドラなどの超速攻型のインスリンの量を減らして調節しましょう。
上の図を参考に「食後2時間の血糖値」をみて調節してくださいね。
 
●アマリールなどのSU薬、グルファスト
インスリンを出させるお薬なのでて食事がとれないときに内服すると低血糖のリスクが増えます。食事の量により調節しましょう
前のページのインスリンのところで示している図と同じが目安です。
食事の量がいつも通り→いつもの量
食事4~7割→いつもの半分の量
全く取れない場合→中止
 
●メトホルミン
メトホルミンはとても良い薬で、多くの人に安全に使われていますが、下痢や嘔吐などの消化器症状が中心であれば中止となることがあります。
重い脱水や、強い感染・高熱・吐き気で食べられない状態になると、体の中で薬が処理されにくくなることがあります。
そのような脱水の状態で続けて飲むと、ごくまれですが“乳酸アシドーシス”の副作用が起こることがあります。
体調が悪いときだけ、一時的にお休みすることを推奨しています。
 
そのほかの糖尿病のお薬は基本的に継続して飲んで大丈夫です。

 
【まとめ】
・シックデイは高血糖・低血糖・脱水・ケトン体が体にたまりやすい状態です。
・自宅ではこまめな水分補給を心がけましょう。湯冷まし・水・麦茶・ほうじ茶を中心に症状に合わせてOS-1やスポーツドリンクを取り入れてください。
・血糖測定をいつもよりこまめに行いましょう。
・食事は無理せずにおかゆやうどんを食べて薬を調節しましょう。
・症状が強い場合は無理せずにすぐに受診してくださいね。
 

2026-02-09 09:31:47

今年のインフルエンザの流行

今年のインフルエンザの流行
2025年12月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
はじめに
前回まで、糖尿病の新しい治療薬「マンジャロ」について連載してきましたが、今年はインフルエンザの流行が例年より大幅に早く、地域でも学級閉鎖が相次いでいます。そのため今月は臨時で「インフルエンザ特集」をお届けします。
糖尿病の方にとって、発熱や感染症は血糖値が上がりやすくなるだけでなく、食欲低下により低血糖を起こすこともあり、"いつもの通りではない状況=シックデイ" の対応が必要となることがあります。体調を崩したときに慌てないよう、この機会にしっかり予習しておきましょう。
次号では「糖尿病のシックデイ対応」について、2月号では元に戻って
「マンジャロ③ 副作用と薬価」について詳しく解説します。
 
【インフルエンザの流行状況】

上のグラフはインフルエンザの流行状況を表しています。
今年のインフルエンザは、例年より 1〜2か月早い流行 となっています。
通常は12月頃から増え始め、1月〜2月にピークを迎えますが、今年は秋から急激に感染が拡大しました。
特に関東では、東京で流行警報が出され、栃木県でも学校で学級閉鎖が相次いでいます。同じように、当院でも感染者が急増している印象です。
 
A型インフルエンザが落ち着いてくるとB型が流行する"二峰性の流行"がよく見られるため、まだ接種を受けていない方は早めのワクチン接種をおすすめします。
 
【宇都宮市のインフルエンザワクチン助成】
宇都宮市では以下の方を対象に補助があります。
宇都宮市在住の65歳以上の方
接種時に60〜64歳で、特定の障がい(心臓・じん臓・呼吸器の高度障害、またはHIVによる免疫障害)を有する方(身体障がい者手帳1級程度)
満1歳児
助成額は①・②の方→自己負担 1,500円、③の方→1,000円の助成です。
※その他の市町村にお住いの方は、お住まいの自治体でご確認ください。
 
【感染症の流行】
栃木県ではインフルエンザ以外にもマイコプラズマ肺炎、溶連菌、RSウイルス感染症が流行しています。

 

特にマイコプラズマ肺炎は去年の2倍近く流行しています。
インフルエンザと症状は似ていますが、乾いた咳が長引くのが特徴です。
他にも県内の流行マップをみると、溶連菌、RSウイルスなども流行していますので、感染対策をしっかりとしましょう。
 
【感染対策の基本】
多くのウイルス感染症は、以下の2つの経路で広がります。
1. 飛沫感染
感染者の咳・くしゃみ・会話で飛んだ飛沫を吸い込んで感染します。学校や職場など人が集まる場所で広がりやすいのが特徴です。
●対策
・症状のある人は必ずマスクを着用
・咳エチケット(口元を袖で覆うなど)
・看病時は双方のマスク着用が望ましい
健康な人のマスク効果は限定的と言われますが、飛沫を浴びるリスクや手指からの接触リスクを減らす効果があります。

2. 接触感染
くしゃみや咳で手に付いたウイルスが、ドアノブ・つり革・スイッチなどに付着し、それを触れた人の手を介して口・鼻の粘膜から感染します。
●対策
・手洗い(石けんと流水で15秒以上)
・アルコール消毒(60%以上)
冬は乾燥でウイルスが長生きしやすくなるため、日頃からのこまめな手洗いがとても効果的です。

【自宅に感染者がいる場合】
家庭内での感染拡大を防ぐポイントは次の通りです。
●湿度管理
ウイルスは乾燥状態で空気中に漂いやすくなります。
・室内湿度 50〜60% を目安に保ちましょう。
・加湿器がない場合は濡れタオルの室内干しも有効です。
特に暖房を使用しているときは乾燥しやすいので、加湿器とセットで使用すると良いでしょう。
●タオルを分ける
手洗い後のタオルを共有すると接触感染しやすくなるため、必ず別々のタオルを使用しましょう。
●換気
冬は閉め切りになりやすいですが、ウイルス濃度を下げるために定期的な換気が重要です。
 
【発熱したと思ったら(受診の流れ)】
猪岡内科では院内感染を防ぐため、発熱のある方には以下の対応をお願いしています。
  1. 院内へ入らず、車内からお電話(028-664-3800)ください。
  2. 診察券をご準備のうえ、車内でマスクを着けて待機してください。
  3. 症状をお伺いするので、電話がかかってくるのをお待ちください。
  4. 医師・スタッフが車まで伺い、検査・診療を行います。
糖尿病の方は、体調不良の時には血糖値が大きく変動しやすいので、早めに相談してくださいね。
 
次回は「糖尿病のシックディ」についてまとめたいと思います。
 

2025-12-09 10:06:09

新しい糖尿病薬 マンジャロ②

新しい糖尿病薬 マンジャロ②
 
2025年11月
猪岡内科 
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
前回は糖尿病の新薬「マンジャロ」について特集しました。
インクレチンである「GLP-1とGIP」という2つのホルモンの働きを活かした新しい注射糖尿病の治療薬で、血糖値の改善と体重減少の両方に効果が期待できるというお話でした。
 
それぞれのホルモンの特徴は、
・GLP1単体では胃の動きをゆっくりにして食欲を抑えるため体重が減る
・GIP単体では食欲が増えたり、脂肪をため込む側に働く
まるで、プラスとマイナスのような真逆の働きをしているように見えるホルモンですが、この2つが合わさって「マンジャロ」となると、
“プラスマイナスゼロ”とはならずに、
より強力に血糖値を下げて、体重も減らす作用が期待できるという不思議な特徴があります。

それはなぜか?というところはまだ解明されていませんが、とても興味深いですね。
 
今回は、同じ注射薬でも混同されやすい「インスリン」と「インクレチン製剤」の違いを解説します。
【インクレチンの振り返り】
インクレチンは 食事をとったときに小腸から分泌されるホルモンで、膵臓に「インスリンを出して!」と伝え、食後の血糖値の上昇を抑える大切な役割を持っています。
インスリンは自分の血糖値の状態に関係なく、注射をした瞬間から血糖を下げる動きをするため常に低血糖の心配があります。
一方で、インクレチンは食事に反応して自動調節できるため、低血糖の心配がありません。(SU剤、インスリンとの併用で低血糖の可能性はあります)

 
「食事」に合わせて自動調節できて低血糖の心配もないのなら、「インスリンの注射薬」ではなく全部「GLP1製剤」の方がいいのでは?と思う方もいると思います。
しかし、実はインスリンとインクレチンは“似ているようでまったく異なる役割を持っているため、その違いを解説します。
 
【インスリンについて】
インスリンは血糖値が高い時に刺激を受けて膵臓のβ細胞からでます。
そして、血液の中にある糖を細胞の中に取り込んで血糖値を下げるという働きをしています。

注射薬のインスリンでは、
①すぐに効き始めるタイプ(超即効型:リスプロ)
②1日かけてじっくり効くタイプ(持続型:グラルギン)
①②が混ざったもの、中間型など、種類ごとに決まった「薬の作用時間」
があります。
薬の強さは「インスリンを打つ単位の量」によって決まります。
お米、パンなど血糖値を上げやすい食べ物(GI値)はありますが、「インスリン1単位でどれくらい血糖値を下げる効果があるか?」というところでは個人の吸収度合い、薬を打つ位置によってもバラバラです。
 
それらを合わせた「日々の血糖コントロール」は医師の指示のもとに
普段の血糖値やその時の血糖値を頼りにしながら、低血糖にならないように
「今日はいつもより食事の量が少なそう」や「飲み会があるから血糖値が上がりそう」など患者さん自身の経験や感覚にある程度ゆだねられます。
 
【インクレチンとインスリンの違い】
インスリンは「今の血糖値が高い低い」という体側の事情には左右されずに、注射をしたインスリンの量の分だけ、血糖値を下げてくれる効果があります。
これと比べると、インクレチン製剤は週1の注射で済み、低血糖の心配もなく食事の刺激でオートマチックに反応してくれるので画期的に見えますね。
しかし、インスリン治療はとても大切な治療です。
 
【なぜインスリンが大切か?】
1型糖尿病や2型糖尿病の末期の患者さんでは、自分自身のインスリンがほとんど出ていません。
インスリンがでていない状態なので、GLP1製剤のように「インスリンを出してください」という指令だけでは血糖値を下げることはできず、不足しているインスリンを補う治療が大切になります。

糖尿病の方でご自身のインスリンがしっかりと出ているか?と気になる方は
血液検査の項目のCペプチドまたはIRIで把握することができるので声をかけてくださいね。
 
【インクレチンとインスリンの併用】
とても大切な治療のインスリンですが、「インスリンの量が増えると体重が増えてしまう」という懸念点があります。
本来はエネルギーとして使われる糖分がインスリンを打つことでしっかりと細胞の中に取り込まれます。体はそれでエネルギーを利用することができますが、余ったエネルギーは脂肪としてたまりやすくなるためです。
 
体重が増えるとインスリンの量も増えてしまいますが、インスリンとインクレチン製剤の両方を併用すると、血糖値が下がる、体重が減るという面で効果が期待できます。
 
当院で効果のあった1例を紹介します。
      使用した薬剤 マンジャロ 5㎎
                  前       4カ月後
HbA1c           7.8%   →  6.9% (-0.9%)
体重             98.9㎏  →  87.9㎏ (-11㎏)
BMI             35     →  31
インスリンの使用量   140単位 →  95単位
 
これだけを見ると、体重が11㎏も減り、HbA1cも0.9%減り、インスリンの量も45単位減っているのでとても魅力的ですね。
この患者さんにはマンジャロがよく効果を示しているようにみえます。
しかし、個人によっては全く体重の変化が見られない場合、副作用が強く出てしまう場合もあります。
このように魅力的な薬剤でも作用・副作用のあらわれ方には個人差が大きい印象です。
副作用や費用については次回解説します。
 
 
 

2025-12-09 09:53:58

新しい糖尿病薬 マンジャロ

新しい糖尿病薬 マンジャロ
 
2025年10月
猪岡内科 
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
糖尿病の治療は、この10年ほどで大きく進歩してきました。
たとえば、飲み薬の種類が増えたり、週に1回の注射薬(GLP-1製剤)が登場して、血糖値だけでなく体重や心臓・腎臓にも良い影響があることがわかってきています。
生活習慣の工夫は治療の基本ですが、それだけでは血糖値のコントロールがむずかしいこともあります。
そんなときに役立つ薬の選択肢が広がっており、その中でも最近「マンジャロ」という新しい薬が登場して注目されています。
今回は、このマンジャロについて、従来の薬との違いや働き方を、わかりやすくご紹介していきます。
 
【マンジャロとは】
マンジャロとは新しく発売された糖尿病の治療薬で、週に1回、皮下に自己注射を行います。
インスリンの「ヒューマログ」でもおなじみのアメリカにあるイーライリリー社によって開発された「インクレチン」といわれるGIPとGLP-1が両方含まれている薬です。
 
日本国内では2型糖尿病に対する治療薬として2023年に承認された新しい薬剤ですが、特に肥満傾向があり、従来の薬で血糖管理が思わしくない方に適しています。


【従来の糖尿病薬との違い】
従来のGLP-1製剤といわれる糖尿病治療薬は「GLP-1」のみに働きかけていました。
GLP-1受容体作動薬である「ビクトーザ」「オゼンピック」「リベルサス」は
血糖値を下げる薬としてスタートしましたが、今では血糖改善に加えて心臓・腎臓の保護もあることから[additional benefits 追加効果] が期待できる薬としての地位を確立しています。
そのため、2型糖尿病の患者さんの長期的な健康にも役に立っています。

そして、新薬である「マンジャロ」は「GLP-1」のみでなく「GIP」にも作用することが特徴です。この2つの作用により、より強力な体重減少血糖値の改善を見せて驚くほどの効果を見せています。
GLP-1GIPは合わせてインクレチンと呼ばれています。
 
【インクレチンとは】
インクレチンは、食べ物を消化する腸から出るホルモンです。
食事をしたり、糖分のある飲み物を口にすると腸からインクレチンが分泌されて、血糖値を下げる働きのあるインスリンを出す膵臓のβ細胞に「そろそろインスリン出して」と伝えます。
食べるサインによって体が自然に血糖をコントロールできるように助けてくれるような仕組みです。


インクレチンとして今認められているのは
GLP-1=グルカゴン様ペプチド
GIP=グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドの2つです。
 
GLP-1とGIPって、なにが違うの?】
GLP-1とGIPは、どちらも「インクレチン」と呼ばれるホルモンです。
インクレチンは 食事をとったときに小腸から分泌されるホルモンで、膵臓に「インスリンを出して!」と伝え、食後の血糖値の上昇を抑える大切な役割を持っています。
 
GLP-1の特徴
・膵臓のβ細胞に働き、インスリン分泌を促す
・膵臓のα細胞に作用し、グルカゴン(血糖を上げるホルモン)を抑える
・胃の動きをゆっくりにして、食後の血糖上昇を抑える
・脳の食欲中枢に働き、食欲を抑える
 
そのため、ビクトーザ、オゼンピック、リベルサスなどのGLP-1製剤は、血糖値を下げるだけでなく、体重減少効果も期待されています。
多くの臨床試験で、HbA1cを1〜1.5%ほど下げ、体重も3〜5kg減ることが確認されています。
 
GIPの特徴
・同じく膵臓のβ細胞に作用してインスリン分泌を促進
・脂肪細胞に働き、脂肪をためこむ
・骨や脳にも作用し、エネルギー代謝を調節する働きの可能性
・GIP単体だと食欲を増進させるがGLPと合わさると食欲減退に働きかける
 
ただし、過去の研究では、2型糖尿病の人ではGIPのインスリン分泌促進効果がかなり低下していることが分かっており、
「効果が弱い」「肥満を助長する可能性がある」として、長い間、GLP-1ほどは研究されてきませんでした
(参考:Nauck et al., Diabetologia. 1993; 36(8): 741–744)
なぜGIPが今になって見直されているのか?】
近年の研究で、GLP-1とGIPを組み合わせると、それぞれの効果が補い合い、より大きな効果が出ることがわかってきました。
GIP単体だと食欲増進させる働きがありますが、GLP1製剤と合わせることで食欲が抑えられます。
とくに、マンジャロの研究(SURPASSシリーズ)では、以下のような結果が報告されています
項目
 
GLP-1製剤
 
GLP-1+GIP薬
 
HbA1cの平均改善値
 
約 -1.9%
 
約 -2.6%
 
体重の平均減少量
 
約 -6kg
 
約 -11kg
 
吐き気などの副作用
 
ややあり
 
GIPの影響で軽減される傾向
 
 
・血糖値の改善
GLP-1製剤でもHbA1cは下がりますが、GLP-1+GIP薬ではさらに大きく、平均 約2.6%低下しました。(GLP-1製剤は約1.9%)。
・体重減少効果
GLP-1製剤で 約6kg減少、GLP-1+GIP薬では 約11kg減少と効果が大きく示されました。
・副作用の違い
GLP-1製剤で多い吐き気は、GLP-1+GIP薬では GIPの作用で軽くなる傾向です。
このように、GIPはGLP-1と組み合わせることで、血糖値・体重・副作用の面でより良い効果を示すことがわかってきました。
かつてGIPは「効きにくい」「太りやすい」と思われていましたが、マンジャロの成果により “GLP-1と一緒なら有効” という新しい評価が広がっています。
 
【まとめ】
マンジャロは、GLP-1とGIPという2つのホルモンの働きを活かした新しい糖尿病治療薬で週1回の注射で、血糖値の改善と体重減少の両方に効果が期待できます。治療法は一人ひとりに合わせて選ぶことが大切ですので、気になる方は主治医にご相談ください。
 

2025-10-29 11:24:16

転ばぬ先のやわらか運動! ~柔軟性・バランスのすすめ~

転ばぬ先のやわらか運動! ~柔軟性・バランスのすすめ~
2025年9月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
「最近、ちょっとした段差でつまずくことが増えた気がする」と感じたことはありませんか?
年齢を重ねると筋力や柔軟性、バランス感覚が少しずつ低下していくのは自然なことですが、糖尿病がある方はそれがより進みやすいといわれています。
特に注意が必要なのが、糖尿病の三大合併症のひとつである「神経障害」です。
足のしびれや感覚の低下があると、ちょっとした段差にも気づきにくくつまずきや転倒のリスクが高くなります。
 
そのため、アメリカの糖尿病学会(ADA=American Diabetes Association)
でも「転ばない体づくり」のために「柔軟性・バランス力を高める運動」の継続が勧められています。
 
【ADAの運動5本柱~2022 ADAスタンダードより~】
① 有酸素運動(Aerobic Exercise)
→ 中~強度の運動を週150分以上(例:ウォーキング、サイクリングなど)
② 筋力トレーニング(Resistance Exercise)
→ 週2~3回、大筋群の推奨(太もも・お尻・胸・背中など)
③ 座りすぎを避ける(Reduce Sedentary Time)
→ 30分に1回は体を動かすことが望ましい
④ 柔軟性運動(Flexibility Exercise)
⑤ バランストレーニング(Balance Exercise)
 
なかでも「④柔軟運動 ⑤バランス運動」は運動習慣のない方、ご高齢の方にとって始めやすく安全性の高い運動として推奨されています。

 
●柔軟性運動(Flexibility Exercise)について
関節や筋肉が硬くなると、日常生活での動作が制限されたり、つまずき・転倒リスクが高まることがあります。
柔軟性を保つことで、関節の可動域が広がり、階段の昇降・洗濯物干し・しゃがむ動作などがスムーズになります。
また、筋肉がかたくなっていると関節に負担がかかりやすく、膝や腰の痛みの原因にもなります。ストレッチをすることにより痛みの緩和やケガの予防も期待できます。
 
柔軟運動をウォーミングアップとして取り入れることで、運動中のケガを防ぐ効果もあり、他の運動(有酸素や筋トレ)との組み合わせによって血糖コントロールの改善にもつながると報告されています。(ADA 2022, ACSM 2021より)。
推奨頻度:週2~3回
おすすめのタイミング:お風呂上がりなど、筋肉が温まっているとき
 
●バランストレーニング(Balance Exercise)について
バランス能力とは、身体の重心をコントロールし、安定した姿勢を保つ力のことです。
この力が低下すると、ふらつきや転倒が起こりやすくなります。
高齢になると、加齢による筋力の低下に加えて、糖尿病による神経障害や足の感覚障害があることで、よりバランスを崩しやすくなります。
実際に、足底の感覚が鈍くなっている糖尿病患者では、転倒リスクが2倍近くなるという報告もあります(Diabetes Care, 2019)。
バランス運動を行うことで、筋肉や体幹が鍛えられ、転倒予防に役立つだけでなく、他の運動(筋トレや有酸素運動)をより安全に行うことにもつながります。
推奨頻度:週2~3回
室内の手すりやテーブル、いすの近くで行いましょう。
 
【柔軟運動とバランス運動の相乗効果】
この2つの運動を組み合わせることで、
「転びにくい体づくり」「日常生活の動作のしやすさ」「他の運動効果の向上」
といった複数のメリットが得られます。
特に、股関節の柔軟性が高まると歩幅が広がり、有酸素運動の効率がアップしたり、バランス力がつくとスクワットや筋トレも安定して行いやすくなります。
 
家でもできる!やさしい柔軟&バランス運動


柔軟運動(週2〜3回)
①首回し・肩回し
方法→ 肩に手をおいて、肘で大きく円をえがく
 ように回す。
    前まわし・後ろ回しを各5回ずつ
 
②背中の丸め伸ばし運動
方法→ ①椅子に座って背中を丸めておへそを
見る(息を吐く)
②背中をそらして胸を開く(息を吸う)
呼吸に合わせてゆっくり5回繰り返す。
 
③開脚ストレッチ
方法→ 床に座って軽く足を開く。
背筋を伸ばして、息を吐きながら
体を前に倒す。
痛みがなければ20秒キープしましょう。
お尻の下に座布団を敷くと姿勢が安定しやすいです。
 
 
 
▶ バランス運動(各30秒〜1分、週2〜3回)


①~③までのトレーニングは、靴下は脱いだ状態で安全な場所で行います。
①片足立ち(壁やイスに手を添えて):体幹強化
方法→ 壁や椅子の背に手を添えて立ちます。
呼吸を止めずに左右30秒ずつキープしましょう。
慣れてきたら、手を片手→手放しへと
ステップアップしましょう。
 
②かかと歩き・つま先歩き:足の筋力アップ
方法→ 5~10歩ずつ前後に歩きます。
場所は廊下や壁沿いがおすすめです。
 
③クッションの上で立つ
方法→ 少し厚みのあるクッションの上に
両足で立ちます。
    滑りにくい素材のものを選びましょう。
最初は両手を椅子や壁に手を添えて、
慣れてきたら片手、手放しでバランスを
取ります。
 
【まとめ】
柔軟運動とバランス運動は、
「 転倒予防」「運動効果の向上」「血糖改善作用」
といった面で非常に重要な役割を担っています。
“室内でできる” “短時間でできる”ということもこの時期の大きなメリットなので、運動の習慣がない方は、柔軟運動・バランス運動から始めてみましょう。

2025-09-12 10:12:18

大きな筋肉を動かそう! ~血糖コントロールのカギは筋肉~

大きな筋肉を動かそう! ~血糖コントロールのカギは筋肉~

2025年8月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵

アメリカ糖尿病学会(ADA=American Diabetes Association)では、
「週に150分の有酸素運動」 「座りっぱなしを避けて30分に一度は動く」
を推奨していますが、加えて「大きな筋肉を意識的に使うこと」も推奨されています。
先月に続き運動特集していきたいと思います。
 
【クイズ 体の中で一番大きい筋肉はどちらでしょうか?】
① 腹筋
② 太ももの筋肉
                   答えは下にスクロール
 
【大きい筋肉5つ】
体の中で特に大きい筋肉と主な動きをまとめてみました。
筋肉の名前
 
場所
 
主な動き
 
①大腿四頭筋
 
太ももの前
 
ひざを伸ばす
立つ、歩く
階段を上がる
 
②大臀筋
 
 
おしり
 
立ち上がる
股関節を伸ばす
歩く、ジャンプ
 
③広背筋
 
背中~わき腹
 
ものを引く
荷物を抱える
腕を伸ばす
 
④大胸筋
 
 

 
腕を前に出す、押す
荷物を抱える
 
⑤ハムストリングス
 
太ももの裏
 
 
ひざを曲げる、股関節を伸ばす
 
 


ということで クイズの答えは【②の太ももの筋肉】でした。
腹筋は、面積的には大きくありませんが、姿勢を維持したり、起き上がったり、重いものを持ち上げたり、体幹を安定させる“重要な筋肉”です。
こちらも一緒に鍛えていきましょう。
 
【なぜ“大きな筋肉”を動かすと血糖値は下がるのか?】
ポイントは筋肉内で働く「ブドウ糖の通り道のような“GLUT4”」と、「エネルギーを作る“ミトコンドリア”」です。
 
●糖をたくさん使う筋肉
体の中で最も多くブドウ糖を消費するのは“筋肉”で、その割合は7~80%と言われています。
 “糖”は筋肉にある「GLUT4(グルコース輸送体)」という糖の通り道のようなものを通ってミトコンドリアへ送られます。そして、脂肪や酸素と一緒にエネルギーへと変わっていきます。
 
● 運動すると「糖の通り道」が活発に!
運動をすると、このGLUT4の数が増えたり、働きが活発になったりしますが、この仕組みはインスリンとは別の経路(インスリン非依存性経路)で動くため、インスリンの効きが悪くなっている糖尿病の人でも運動をすることで血糖値が下がります。
特に、大きい筋肉ほど筋肉量も多いため糖もたくさん吸収されてより血糖値が下がりやすくなります。
 
 ●ミトコンドリアの力
取り込んだ糖を酸素や脂肪とともにエネルギーに変えるのは筋肉の中にあるミトコンドリアです。
継続して運動をするとミトコンドリアでは
①数が増える(ミトコンドリア新生)
②燃焼効率が高まる(働きが良くなる)
 という2つの変化が起こり、運動直後~数日間の間、糖を効率よくエネルギーへ変える働きをします。
 
そして、糖尿病では、高血糖や運動不足によりミトコンドリアの働きが弱まる方がいますが、「大きな筋肉を動かすこと」でこの働きを良くすることができます。
 
このように筋肉を鍛えることは、血糖を一時的に下げる効果だけでなく、休んでいるときでも糖を使いやすい体づくり(=基礎代謝が高い体)につながります。
 
【今日からできること(大筋群を使ったエクササイズ)】
頻度:週に2、3回が目安  
● 椅子スクワット(太もも・お尻)
椅子に浅く座って、立ち上がる、座る動作を繰り返す。10回×2セット
● 階段の上り下り(太もも・お尻)
  1階分を上り下り×3回
● 背伸びプッシュ(背中・体幹)
壁に手をつけ、背筋を伸ばして壁に向かって腕立て伏せ
10回×2セット
つま先立ちで背伸びも加えて体幹も鍛えます。
腕立て伏せよりもグンと運動量が減るので取り入れやすいです。
● その場足踏み+腕ふり(太もも・ふくらはぎ・体幹)
 その場で足踏み30秒×3回/日
大げさに腕を振って足踏みしてみましょう。
 
【宇都宮市で利用できる施設の案内】
①宇都宮市のブレックスアリーナでは、1回430円(6回2150円)でトレーニング室を利用することができます。
有酸素運動、筋肉トレーニング、ストレッチなどできるので、暑くて外に出られないときは気軽に室内の利用してみてくださいね。

② 運動プログラムに参加したいという時には
「宇都宮市スポーツ振興財団」の冊子にエアロビクス、ヨガ、ピラティスのクラスがあります。
ストレッチやウォーキングで健康づくりをする「いきいきスポーツクラブ」もおすすめです。

詳細については
「宇都宮スポーツナビ」で検索、または「028-663-1611」に問い合わせしてみてくださいね。
 
【まとめ】
・大きな筋肉を意識して使うことで効率よく血糖値を下げることができ、運動を継続することで筋肉量が増えて基礎代謝も上がります。
・太もも、背中、お尻などの大きな筋肉を意識して「週に2,3回」を目安に筋肉トレーニングをしてみましょう。
 

2025-09-12 09:58:01

30分に一度は動こう! ~運動のすすめ~

30分に一度は動こう! ~運動のすすめ~
 
2025年7月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
座りっぱなしとその健康リスク
日本人は1日に約7~8時間を“座って”過ごしているといわれています。
しかし、その“座りっぱなし”の時間が、糖尿病、心血管疾患、そして、認知症リスクを高める可能性があります。
アメリカ糖尿病学会(ADA:American Diabetes Association)では先月に特集した「週に150分の運動を推奨すること」に加えて、
「長く座りすぎないように30分に一度は体を動かすこと」を推奨しています。
 
これは、こまめに体を動かすことで食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、インスリンの効きをよくするという研究結果が増えてきたことが背景にあります。
暑くなってきた今月は「室内で30分に一度体を動かすこと」をテーマにしようと思います。

 
【少し前までは】
2015年、ADAの『糖尿病ケア基準(Standards of Medical Care in Diabetes)』では「90分に一度は座りっぱなしをやめ、軽く動くこと」を推奨しました。
 
デスクワーク中心の生活で長時間座る人ほど、2型糖尿病や心血管疾患のリスクが高まることがわかってきましたが、座りっぱなしをやめて数分間の軽い歩行を促したところ食後の血糖値やインスリンの反応が良くなったという研究が背景にありました。


【近年の研究では】
さらに研究が進み、アメリカ糖尿病学会(ADA)の2022年版『糖尿病ケア基準(Standards of Care in Diabetes)』では、「30分ごとに座りっぱなしを中断すること」が新たに推奨されました。
このきっかけとなった代表的な研究は、Dempseyらによる2016年の研究です。
 
 Dempseyらの2016年研究(Diabetes Care)
2型糖尿病の患者さんを対象に、
30分ごとに3分間の軽いウォーキング群
30分ごとに3分間の簡単な筋肉トレーニングをした群
8時間連続で座り続ける群
 の3グループにわけて1日の血糖値の変動を比較しました。

結果は、①②の30分に一度体を動かした群で、血糖値とインスリン反応が有意に改善しました。さらに、②の筋トレ群では、中性脂肪も低下しました。
 
【ここまでのまとめ】
アメリカの糖尿病学会ADAで「Break up sedentary time=座りっぱなしの時間をこまめに中断する」ことが推奨されて、徐々に各国でも推奨されてきました。
そして、その頻度は
「dose-response relationship=用量反応関係」にあります。
今までの「90分に一度」よりも、新たな推奨基準の「30分に一度の軽い運動をする」方が血糖値の改善により効果的なため、このように推奨基準が変わりました。
 
なぜこまめな運動をすると糖が消費されるのでしょうか。

【筋肉と糖の取り込み】
私たちの体でもっとも多くの“糖”を使っているのは、筋肉です。じっと座っていると、筋肉はあまり動かず、血液中の糖はなかなか使われません。でも、少し立ち上がって歩いたり、スクワットを数回するだけでも、筋肉は「糖を取り込んで使おう」と働き始めます。


 





このとき筋肉の中では、糖が「GLUT4(グルコース輸送体)」という、通り道のようなものを通り細胞に入ってミトコンドリアに送られます。
GLUT4は、普段はインスリンの刺激で働きますが、運動による筋肉の収縮でも刺激されて、糖を取り込みやすくなります。

ミトコンドリアでは糖や脂肪を酸素と一緒に燃やしてたくさんのエネルギーが作られています。
継続して運動することで、さらにミトコンドリアの数が増えて、活発に働き、より多くの糖が消費されるようになります。
 
 
運動をすると筋肉の中では「糖はGLUT4により取り込まれ→ミトコンドリアでエネルギーに変える」という流れが数分間のうちに始まります。
その結果、血液中の糖が効率よく使われるのです。
このしくみは「インスリンに頼らない糖の取り込み」とも呼ばれ、食後の血糖値を下げるのにとても効果的です。
 
つぎに、運動の実践と習慣化できる方法について考えてみたいと思います。
【家の中でできるながら運動】
30分に数分間、体を動かすために、家の中で手軽に取り組める運動をいくつかご紹介します。
 
・椅子スクワット
・かかと上げ
・肩ストレッチ
・立ち上がってその場で足踏み
・背伸び&深呼吸
・腰ひねりストレッチ
・階段の上り下り



【座りっぱなしになる時間を思い出してみましょう】
まずは、普段の生活の中で30分以上座りっぱなしになってしまう時間帯を思い出してみてください。
朝食後にゆっくりしているとき
デスクワークで座りっぱなしのとき
車やバスでの長い移動があるとき、
昼食後に眠たくなりうとうと座っているとき、
夕食後から寝る前にソファでくつろいだり読書をしているとき
などがあげられると思います。
 
その中で、30分ごとの軽い運動(1分でもOK)を入れられるタイミングや
立ち上がるきっかけを作るアイディアを探してみましょう。
・トイレに行った後のタイミングで肩を回す
・お茶を飲みに立つついでにスクワット
・テレビを見ている場合はCMの間だけ体を動かす
・いつもより少し遠い駐車場に車を止める
・デスクワーク中に時間を見てかかとの上げ下ろしをしてみる

【最後に】
糖尿病と向き合う生活は、ストイックになりすぎずに自分のリズムの中にちょっとした運動の習慣化をしていくことが長続きのコツです。
「今日はどの時間帯に長く座っていたかな?」と一日の終わりに振り返ってみて
明日は、“できるときに” “できる分だけ” 無理のない範囲で体を動かしてみましょう。
 

2025-06-26 09:50:41

週に150分! ~運動のすすめ~

週に150分! ~運動のすすめ~
 
2025年6月
猪岡内科
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
みなさんは毎日の運動習慣はありますか?
糖尿病治療の3本柱」は、「お薬・運動・食事」ですが、その中でもっとも実行されにくいといわれているのが運動です。
 
日本糖尿病学会のガイドラインでは「週150分以上の中等度の有酸素運動」が推奨されていますが、ほかの国ではどのような運動基準なのでしょうか?
アメリカ(ADA)を含む主要国・機関の糖尿病患者向けのガイドラインを比較して、「週に150分の有酸素運動」が進められている理由について考えてみました。
 
【2型糖尿病への各国の運動療法のガイドライン】
アメリカ:ADA(American Diabetes Association:アメリカ糖尿病学会)
  • 150分/週 以上の中等度〜高強度の心拍数が上がる有酸素運動で、その間隔は最低でも週3日以上、やらない日を2日以上空けない
  • 筋トレは2〜3日/週 程度を推奨
  • 長時間の座りっぱなしを避けて、30分に一度は軽い運動を挟む
 
 カナダ:Diabetes Canada(カナダ糖尿病協会)
  • 150分/週以上の中強度の有酸素運動
→理想は30分を週に5回だが、10分以上の運動にわけて積み重ねてもOK
  • 筋トレは2~3日以上/週 程度を推奨
  • 長時間の座りっぱなしを避けて、30分に一度は軽い運動を挟む
 
オーストラリア:Diabetes Australia(糖尿病協会)
  • 150〜300分/週の中等度の有酸素運動(速歩、サイクリング水泳)、または75〜150分/週の高強度運動(ジョギング、エアロビクス、早いサイクリング)
  • 筋トレは2~3日以上/週 程度を推奨
  • 長時間の座りっぱなしを避け、30分に一度は軽い運動を挟む
 
 WHO(世界保健機関)
  • 中等度運動150〜300分/週 または、高強度運動75〜150分/週
  • 筋トレは2日以上/週
 
表にまとめてみます。
各国の糖尿病への運動療法のガイドライン
国・機関
 
有酸素運動
 
筋トレ
 
日本(JDS)
 
150分/週以上(中強度)
 
週2~3回
 
アメリカ(ADA)
 
150分/週(中強度)
 
週2〜3回
 
カナダ
 
150分/週(中強度)
 
週2〜3回
 
オーストラリア
 
150〜300分/週(中強度)
または
75〜150分/週(高強度)
 
週2~3回
 
WHO
 
150〜300分/週(中等度)
 
週2回以上
 
 
 
このように主要な国ではほぼ共通して、「週に150分の運動」と「筋肉トレーニング」が推奨されていますが、「週に150分の有酸素運動」が推奨されている理由には以下のような科学的・実証的な理由があります。
 
【アメリカの糖尿病予防プログラム】
2002年のDPP試験 (U.S Diabetes Prevention Program 糖尿病予防プログラム)は「150分/週の有酸素運動」の有効性を初めて明確に示したランダム比較試験です。
●試験の概要
糖尿病の遺伝がありBMI平均34、糖尿病予備軍の参加者が
1. 生活習慣改善グループ(食事・150分の有酸素運動)
2. メトホルミン投与グループ(薬物治療)
3. プラセボグループ  
の3つのグループに分けられてそれぞれ、1のグループには運動食事の生活指導(内容は後述します)、2のグループにはメトホルミンの薬物治療をしたときに、プラセボ群と比較してどの程度2糖尿病の発症を予防できるかを比較した試験です。
                                                                                          
●試験結果
糖尿病発症率の比較結果を表にします。
 
 
糖尿病発症率
 
生活習慣改善グループ
 
4.8%
 
薬物治療投与グループ
 
7.8
 
プラセボグループ
 
11.0%
 
「150分の有酸素運動を取り入れたり食事を改善した生活習慣改善グループ」が最も糖尿病予防に効果的であることが判明しました。
 
●結果の考察
  • 生活習慣改善グループは、プラセボ群と比較して糖尿病発症率を58%低下させて優れた予防効果を示しました。
  • メトホルミン投与グループは比較して糖尿病発症率が31%低下し、生活習慣病改善グループには及ばなかったものの、「若年層、BMIが高い人」ではより顕著な効果が見られたことから、個別に合わせた治療という面で一定の価値が期待されます。
 
また、その後「生活習慣の改善は長期的な効果があるのか」を調べたDPPの延長試験のDPPOS(DPP Outcomes Study)では
「生活習慣改善を持続している群」では糖尿病の発症予防のみならず、糖尿病の合併症のリスクも減っていることが確認されました。
(15年にわたり追跡されて現在も追跡中です)
 
【生活習慣改善群での介入内容】
実際の介入内容では「6か月で体重の7%減らす」
「週に150分以上の中強度の運動をする」という現実的な目標を基準に、食事指導、行動変容についての学習、個別サポートが行われ、平均 5.6kgの体重減少が達成されました
 
【それから】
ここから、複数の試験、メタ解析によっても裏付けされて、アメリカ糖尿病学会(ADA)が2006年の糖尿病のガイドライン(Standard of Medical Care in Diabetes)より「週に150分の中等度以上の有酸素運動」が推奨されました。
その後、研究が重ねられて各国のガイドラインの基礎となり、2019年より日本の糖尿病ガイドラインのでも「週に150分の有酸素運動」が推奨されています。
 
【中強度の運動とは?】
中強度の運動(moderate intensity exercise)とは「少し息が弾むけれど、会話はできる程度の運動」のことを指します。
 
歩く  → 普段よりやや早めのウォーキング
自転車 → 平地でのサイクリング、エアロバイク
家事  → 掃除機かけ、床拭きなどのやや息の上がる作業
軽登山 → なだらかなハイキング
ダンス → エアロビクス、リズム体操など
水中  → 水中ウォーキング、アクアビクス
 

【最後に】
長期的な生活習慣の改善はすごく効果的なことがわかりましたね。
糖尿病の治療は「薬物療法・運動療法・食事療法」の3本柱です。
「6か月で体重の7%減」 「週に150分以上の中強度の運動をする」を目標にまずは、1か月で2%の減量でも良いので小さな成功体験を大切にして
無理なく、楽しく、継続していけるようなペースをつかんでいきましょう。
 
 

2025-06-26 09:49:06

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