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猪岡内科コラム

栃木県,宇都宮市,糖尿病,食事指導,管理栄養士 【猪岡内科】

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猪岡内科コラム

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麻疹(ましん)ましんの症状について

麻疹(はしか)の症状について
糖尿病療養指導士 中村郁恵

【症状の経過】
症状の経過は潜伏期→カタル期→発疹期→回復期と変化していきます。


●潜伏期
感染すると約10~12日の潜伏期を経て発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が出現します。

 
 ●カタル期
2~3日の微熱や咳、鼻水、くしゃみ、咽頭痛のような風邪のような症状の後に、39℃以上の高熱、倦怠感、結膜充血などが出現して2~4日間続きます。
この時期は最も感染力が強いので、接触は要注意です。


 
カタル期から発疹が出るころに、口の中の粘膜に、1mmほどの白色斑点(コプリック斑がみられるのが特徴です。
 
 
 ●発疹期
カタル期の発熱が1℃ほど下がったあとに、再び39℃以上の高熱が出現する、二峰性の発熱がみられます。
それと同時期に特有の発疹が出現します


発疹は、耳の後ろ、首、ひたいから始まり、翌日には、顔面、体幹、上腕2日後には手足へと広がります。
発疹が全身に広がるまで39~40℃の高熱が続いて、症状はカタル期もよりもひどくなります。やがて発疹は暗赤色になり、色が薄くなってきます。


●回復期
発疹出現後、3~4日すると解熱し、全身状態も改善してきます。
発疹は退色しますがしばらく色素沈着が残ります。
 
●合併症 予後
肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。
先進国であっても1,000人に1人は死亡の例があると言われていますので侮れませんね。

 
●麻疹を疑うポイント
・症状が出現する1012日前に 麻疹患者さんとの接触があったか?
・人が多く集まる場所にいかなかったか?
・麻疹が流行している国に行かなかったか?
を思い出してみてください。

上記の条件にあてはまる方は医療機関に電話で相談してください。


 
<治療>
麻疹に特異的な治療法はなく、発熱などの症状を和らげる治療が中心になります。
最大の防御策は予防接種です。

ワクチンについては次回説明します。
 

2018-06-13 22:18:19

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麻疹(はしか)について

麻疹(はしか)について
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
最近、当院では「麻疹(はしか)の予防接種はできますか?」という問い合わせが何件かありました。
ニュースでは、特に成人の間で麻疹が流行していることが報じられていますので、今回は
麻疹について解説します。
 
【麻疹とは】
麻疹ウイルスによって引き起こされる、急性の全身感染症です。

感染経路は、空気感染 飛沫感染 接触感染で、ヒトからヒトへ感染します。
同じ室内にいるだけで感染するので、その感染力というのは、他のウイルスに比べてとても強いです。



上の表は「1人の感染者が、感染力を失うまで何人に感染させたか」というものです。
数字が高いほうが感染力が高いのですが、麻疹の感染力は12~18人とインフルエンザと比較しても圧倒的に多いですね。

麻疹に対する免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ確実に発症します。
麻疹は感染力が強く空気感染もするので、インフルエンザなどの飛沫感染とは違い、手洗い、マスクのみで予防はできません。
 
 
【流行り】
毎年春から初夏にかけて流行します。
下の図は2018年の麻疹患者を年齢別に表したものです。
発症する患者さんは 0~1歳が中心ですが、最近は20歳以上の成人例の割合も増加しており、患者の半数以上が20~30代です。


平成273月 世界保健機関西太平洋地域事務局により日本は麻疹の排除状態にあることが認定されました
 麻疹のウイルスそのものが減っているので、ワクチンを1回接種してもその後の感染者との接触による免疫強化(ブースター効果)が得られず、時間経過とともに免疫が徐々に弱まって来ている人がいるため、成人での発症が増加している可能性があります。
 
●麻疹を疑うポイント
・症状が出現する1012日前に 麻疹患者さんとの接触があったか?
・人が多く集まる場所にいかなかったか?
・麻疹が流行している国に行かなかったか?
を思い出してみてください。
 
思い当たる症状がある方は、医療機関に電話で相談してください。
症状については次回、お話しします。
 

2018-06-13 21:35:00

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今月の料理

平成30年6月 

今月の料理

蒸し暑い季節になりました。今月は疲労回復作用のあるビタミンB1を含む豚肉を使ったレシピを紹介します。しっかり食べて夏バテを予防しましょう。

ネバネバ豚丼

材料(2人分)
ご飯・・・・・・300g
豚肉・・・・・・120g
玉ねぎ・・・中半分
オクラ・・・・・10本
長芋または山芋・・160g  

しょうゆ・・・・・大さじ1
酒・・・・・・・・・大さじ1
みりん・・・・・・大さじ1
砂糖・・・・・・・大さじ1
おろし生姜・・10~15g
栄養成分値
<1人分>
エネルギー:549Kcal
炭水化物:84.3g
たんぱく質:19.2g
脂質:12.4g
塩分:1.5g
作り方
 
1:玉ねぎは薄切り、オクラは板ずりをしてからゆで、小口切りにします。 長芋・山芋はすってとろろにしておきます。
2:熱したフライパンに油を敷いて薄切りにした玉ねぎをしんなりするまで炒めます。
3:②に豚肉を入れて火が通るまで炒め、いったん火を止め、調味料をすべて入れます。
4:火をつけて混ぜながらたれをからませます。
5:器にご飯をつけ、④、とろろ、オクラを上に乗せ、あまったたれをかけて完成。
   

豚しゃぶのごまだれ和え

材料(2人分)
豚肉(しゃぶしゃぶ用)・・・・・・100g
ゴーヤ・・・・・・・・・・・・・・・・・・中1本
冷しゃぶ用ごまだれ・・・・・30g(お好みで)
 
 
 
栄養成分値
<1個分>
エネルギー:132Kcal
炭水化物:6.4g
たんぱく質:11.8g
脂質:6.4g
塩分:0.7g
作り方
 
1:ゴーヤはワタを取り薄切りにし、塩もみをしたら20分程度おいておきます。
20分おいたらさっとゆでて冷水にとり、冷えたらしぼっておきます。
2:鍋にたっぷりの湯を沸かし、豚肉を1枚ずつ広げて入れ、完全に火が通ったら冷水にさらします。
3:①と②を一緒にごまだれで和えて完成。

豚肉の栄養
豚肉には「ビタミンB1」が豊富に含まれています。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるのに欠かせない栄養素であり、疲労物質である乳酸の代謝にもかかわるので、疲労回復効果があると言われています。また、私たちの身体をつくるのに欠かせない「たんぱく質」が含まれており、夏バテ予防にぴったりな食材です。

2018-05-31 10:10:00

悪玉アディポカイン

悪玉アディポカイン①
糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
アディポカインには善玉と悪玉があり、前回は善玉アディポカインについてご紹介しました。
今回は悪玉アディポカインの代表とその働きをご紹介したいと思います。
 
●復習になりますが、、
肥満になると、内臓脂肪にある大型脂肪細胞からTNFαや、沢山の悪玉アディポカイン(FFA IL-1β)が分泌されやすくなります。
減量して内臓脂肪が減ると、大型だった脂肪細胞も小さくなります。
脂肪細胞が小さくなるにつれて悪玉アディポカインの分泌される割合も減ってきます。


 
<TNFα>
炎症を引き起こす作用のあるTNFαは、主に白血球の一種であるマクロファージから分泌されています。
そして前回お話しした、内臓脂肪の中にある大型脂肪細胞からも分泌されています
そのため、肥満になり内臓脂肪が増えると悪玉アディポカインも多く作られてしまいます
 
●TNFα
TNF-α は、Tumor Necrosis Factor-α の略で和訳すると、腫瘍壊死因子です。
名前の通りに「がん細胞に対して出血性の壊死をさせるように働きかける因子」として同定されました。
「癌細胞を破壊してくれる」と聞くと、善玉ではないか!と思うかもしれませんが、代表的な悪玉なのです。
 
●TNF-αと疾患の関連
【TNF-αと骨粗鬆症】
骨の代謝は新しい骨を作る働きのある骨芽細胞の骨形成と、古い骨を壊す働きのある破骨細胞の骨吸収によりバランスを保っています。
TNFαは、破骨細胞を増やす働きがあり、骨を壊す側に傾くために骨代謝のバランスが崩れて骨粗鬆症になりやすくなります。
 
【TNF-αと関節リウマチ】
リウマチは自分の免疫が自分を攻撃してしまう、炎症性の自己免疫疾患です。
免疫や炎症に関わるTNFαは、リウマチの患者さんの関節の中には、そうでない人よりもたくさん生産されます。
そして、TNFαは関節の痛みや腫れ,関節破壊をおこします。
それだけでなく、さらに他の炎症をおこす物質(炎症性サイトカインといいます)を作らせて関節リウマチを悪化させる働きもあります。

治療にはこのTNFαを抑える薬が使われています。
 
TNF-αと糖尿病】
私たち医療従事者は太った2型糖尿病患者さんをみると一目でインスリン抵抗性がありそうだなと判断します。
減量を頑張ること数か月!
インスリンがきちんと出ている人では薬を飲まなくてもよい状態にまで糖尿病が良くなることもあります。
 
それはなぜか?
その前に、インスリンのお話を少しします。
●インスリンと糖の取り込みについて
膵臓から分泌されたインスリンは、筋肉や肝臓にあるインスリン受容体に結合します。
そして、細胞内のシグナル伝達機構を活性化させて細胞の中に糖を取り込みます。

 
●TNFαは
TNFαはこの細胞内にあるシグナル伝達機構を抑制します
そのため、インスリンは出ているのにうまく使えていない状態であるインスリン抵抗性をひき起こします。

 
肥満から適正体重になると、大型の肥満細胞は小さくなり、悪玉アディポカインの分泌が減ります。
悪玉アディポカインが減ると、インスリン抵抗性が改善されて、糖尿病が改善します。

 
【終わりに】
インスリン抵抗性について、今回は悪玉アディポカインのTNFαを中心にお話ししました。
インスリン抵抗性を悪化させる例では、同じく悪玉アディポカインのFFAやIL-1β
そのうち特集しますが酸化ストレス等他にもいろいろな物質が関わっています。
次回以降に、別の悪玉アディポカインについて焦点をあててご紹介します。
 

2018-05-19 13:11:16

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善玉アディポカイン

善玉アディポカイン①
 
糖尿用療養指導士 中村郁恵
 
前回は脂肪細胞から産生されるアディポカインが、肥満をはじめとする動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病に関わっています。そして、アディポカインは善玉と悪玉があり、現在600種類で作用は多岐にわたるということを書きました。
今回はそのなかでも代表的な善玉のアディポネクチンを紹介したいと思います。

<レプチン>
レプチンは 脂肪細胞や消化管から産生されるペプチドホルモンで、アディポカイン研究に力が入ってきた頃の1994年に同定されて、ギリシャ語で『痩せる』を意味するλεπτός (leptos) から命名されました。
 
レプチンの代表的な働きは、消化管や血液などの栄養情報を脳の視床下部にある食欲制
御中枢に伝えて、ヒトに満腹感を感じさせます。
その結果、「食べたい」という欲求を抑えられます。
そして、レプチンは体脂肪率と正の相関があります。
脂肪が増えるとレプチンの分泌量も増えて、ある程度の脂肪が蓄積すると、レプチンの血中濃度は増えて体が肥満していることを脳に伝える「肥満信号」の役目を果たします。


しかし、レプチンには強力な食欲抑制効果があるのにも関わらず、肥満が進むと食欲が強くなり、さらに肥満になります。
それは、肥満患者の多くがレプチンに対する反応性が鈍くなる「レプチン抵抗性」となっ
て十分な機能が発揮できていないためです。


血中のレプチン濃度は十分あるのに、脳内のレプチン量が少ないということが確認されているので、肥満のレベルが一定を超えるとレプチンが脳に届きにくくなるようです。
 
さきほども書いたように、レプチンの働きで特徴的なのは食欲を抑えることでした。

そして肥満患者さんはレプチン抵抗性があるために食欲も抑えられておらず、満腹感を感
じにくいようです。

糖尿病でもインスリン抵抗性という現象がありますね。
レプチンやインスリンなど、モノは分泌されているのに反応性がなくなるという現象が病態に関与するのはとても興味深いことです。
現在、レプチンを抗肥満薬として用いることができるようにするために、レプチン抵抗性を解除するさまざまな試みがなされています。


<アディポネクチン>
 最近の健康番組などでは「やせホルモン」「長寿ホルモン」などといわれているアディポネクチンですが、一度は耳にしたことがあるでしょうか。
アディポネクチンは1995年に同定された脂肪細胞から最も多く分泌されるアディポカインですアディポとは「脂肪」ネクチンは「くっつく、接着」という意味で、血管の壁などにくっついて修復するという性質があることからアディポネクチンと名付けられました。
 

動脈硬化は、炎症反応を起こしながら血管の壁が厚くなるのですが、アディポネクチンは
その名前の由来のとおり、炎症が起きた血管の壁を修復して動脈硬化を防ぐ働きをしています。
動脈硬化の成り立ちについては、そのうち詳しく特集します。





そのほかにも肥満ではない状態で多く存在する「小型の脂肪細胞」から分泌されて、インスリン感受性を高めて糖の代謝を促進させます
実際、2型糖尿病でアディポネクチンの分泌が少なくインスリン抵抗性の状態にアディポネクチンを補充すると、糖尿病が改善されたという研究もあります。
最近では血糖値の高低により、食欲を亢進したり抑制したり切り替わる機能についても注目されています。
その他にも抗肥満、抗炎症作用、血管をひろげる働きを持つため血圧上昇を抑制するなど沢山の働きがあります。
このように体に良い作用をもたらす良いアディポカインです。

しかし、内臓脂肪が蓄積して脂肪細胞が肥大化すると、その分泌量が低下します
その結果、糖尿病や高血圧が誘導されます。
実際に肥満、糖尿病などの患者さんでは血中アディポネクチン値が低いという結果が出ています。
また、長生きしている人は血中アディポネクチン値が高いという報告もあります。

こうしたことから動脈硬化の治療薬として期待されていて、開発がすすんでいるようです。
 

2018-05-15 22:18:03

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今月の料理

今月の料理

5月5日は「端午の節句」、「こどもの日」です。端午の節句の行事食として柏餅やブリ、たけのこなどがあります。今回は行事食のレシピを紹介します。

ちまき風おこわ

材料(4人分)
もち米・・・・・2合
焼き豚・・・・100g
人参・・・・・・・50g
ゆで筍・・・・・50g
干ししいたけ・・4枚  

しょうゆ・・・・・大さじ1.5
酒・・・・・・・・・大さじ1.5
砂糖・・・・・・・・小さじ1/2
ごま油・・・・・・・小さじ1
鶏がらスープの素・・小さじ1
栄養成分値
<1人分>
エネルギー:350Kcal
炭水化物:65.5g
たんぱく質:11.3g
脂質:3.9g
塩分:1.9g
作り方
 
 
1:もち米は30分前に研いでざるにあげておき、干ししいたけは水でもどしておきます。
2:ゆで筍、人参、焼き豚、干ししいたけは水気をしぼって1cm角に切ります。
3:炊飯器に①を入れて、酒、砂糖、しょうゆ、ごま油、鶏がらスープの素を入れ、
2合の線まで水を入れてから具材を入れて炊飯します。
4:炊けたら混ぜて笹の葉(分量外)におこわを包んで完成。
   

よもぎ柏餅

材料(5個分)
上新粉・・・・・・50g
白玉粉・・・・・・50g
片栗粉・・・・・小さじ1
砂糖・・・・・・・・10g
ぬるま湯・・・・・100cc
 
つぶあんまたは
こしあん・・・・・・・100g
乾燥よもぎ・・・・・5g
柏の葉・・・・・・・・5枚
栄養成分値
<1個分>
エネルギー:132Kcal
炭水化物:36.5g
たんぱく質:2.4g
脂質:0.4g
塩分:0.1g
作り方
 
1:あんは20gずつ丸め、柏の葉は洗って水気をきっておきます。
2:上新粉、白玉粉、片栗粉と砂糖を電子レンジ対応の器に入れて泡だて器で混ぜます。
3:ぬるま湯を少しずつ入れて手で混ぜます。水分量はお好みで調節してください。
全体がしっとりしてひとまとまりになったら600Wで1分加熱します。
4:全体を良くこね、2分半加熱します。乾燥よもぎを入れて混ぜ、こねて1分加熱します。
5:好みの硬さになるまでこねたら生地を5等分して楕円に伸ばします。生地であんをつつみ、柏の葉でさらに包んで完成。


端午の節句行事食の意味
柏餅:柏の葉は新芽が出ないと古い芽が落ちないことから、「家系が途絶えない」という縁起に結びつけ子孫繁栄の縁起物として食べられるようになりました。
たけのこ:たけのこは5月が旬の食材です。たけのこの「まっすぐ伸びて大きく育つ」特徴から縁起を担いで食べられるようになりました。

2018-05-01 10:09:00

アディポカインにも善玉と悪玉!

アディポカインにも善玉と悪玉!

糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
前回は内臓脂肪と皮下脂肪の違いや、脂肪組織から分泌されるアディポカインは糖尿病や動脈硬化に関連しているというところまで書きました。
さて、世の中はよく良いものと悪いものにわかれていますね。

コレステロールは良いコレステロール(LDL)と悪いコレステロール(HDL)、腸内細菌も善玉菌と悪玉菌に分けられていますね。
それと同じように、アディポカインも善玉と悪玉に区別されています。

悪玉アディポカイン(代表例は TNF-α PAI-1など)
糖尿病になる原因のひとつのインスリン抵抗性を促進させて動脈硬化を促進させます。

善玉アディポカイン (代表例は アデイポネクチン レプチンなど) 
インスリン抵抗性を改善させて動脈硬化を予防します。
 

脂肪細胞は善玉アディポカイン、悪玉アディポカインのどちらも産生します。
良いものと悪いもののバランスを保っていれば良いのですが、その産生は生活習慣などで悪玉のほうへ傾いたりします。
 内臓脂肪が蓄積してくると脂肪細胞が肥大化して、各種アディポカイン遺伝子の発現パターンが異なってきます。
善玉アディポカインの分泌が減り、悪玉アディポカインの分泌が増えてしまいます。


肥満でない人の脂肪組織には、炎症を抑制する免疫細胞(M2マクロファージ Treg iNKTなど)が多く存在していますが、肥満になるとこの抑制側に働く免疫細胞が減ります。
加えて肥満になることで、脂肪組織に炎症を促進する免疫細胞(M1マクロファージ CD8・T細胞など)外部から脂肪組織内に浸潤してきます。

こうした現象は、太った脂肪細胞が炎症を起こす免疫細胞を引き寄せるアディポカインを産生するためと考えられます。
 アディポカイン以外にも脂肪細胞から出される脂肪酸(FFA)や高血糖な状態がマクロファージなどの炎症性免疫細胞を活性化する機序も考えられています。
このように肥満となって顕著になる肥大化した脂肪細胞から出る悪玉アディポカインや、脂肪酸、高血糖などが引き起こす炎症免疫細胞など、さまざまな要因で炎症反応が起こり、動脈を傷つけて動脈硬化を促進させています。
 
今回の話題は、
肥満にともなって脂肪細胞が肥大化することにより、アディポカイン産生が善玉から悪玉に変化すること。そして、脂肪組織内の慢性炎症が、どのように絡んでいるかはとても興味深い点ですね。
 肥満になると 
脂肪組織内に慢性炎症が起こり、脂肪細胞のアディポカイン産生パターンが善玉から悪玉に変化する
そのために糖尿病や動脈硬化が促進してしまうということを書きました。


次はいろいろなアディポカインを紹介したいと思います。
 

2018-04-18 21:28:05

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リンゴ型肥満 洋ナシ型肥満


リンゴ型肥満 洋ナシ型肥満

糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
リンゴ型肥満、洋ナシ型肥満、この単語はダイエットに興味がある方ならテレビなどから耳にしたことがあるでしょうか。

リンゴ型肥満は、男性に多く、リンゴのように体の中心のお腹が出ている体型です。
脂肪は皮下組織でなくお腹のなかの内臓の周囲にたまるので内臓脂肪が多くあります

洋ナシ型肥満は、女性に多い、洋ナシのように体の下のほうの腰、お尻、太ももあたりにお肉がついている状態です。
腰から下半身の皮下組織に脂肪がたまるので皮下脂肪が多くあります

そしてこの内臓脂肪と皮下脂肪は同じ脂肪でも違いがあります。

内臓脂肪は、脂肪細胞の数は多くありませんが、内部に中性脂肪がたっぷりと蓄積されているのでひとつひとつの細胞が太っていて、細胞肥大型と呼ばれます。
大人になってからの生活の乱れで太った方に多いです。
皮下脂肪は内部の中性脂肪も少なく小さめだけれども、脂肪細胞の数が多い細胞増殖型 と呼ばれます。色々な種類の細胞が増殖することが多い成長期から太っている人に多いのがこちらです。
 
内臓脂肪と皮下脂肪、どちらの性質が悪いかというと内臓脂肪です!

肥大した脂肪細胞は「アディポカイン」とよばれるホルモン様物質を産生します。
そのアディポカインのなかには動脈硬化やインスリン抵抗性を誘導して糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。

 
暴飲暴食により摂取エネルギーが過剰になると、内臓脂肪の脂肪細胞は極限にまで肥大化して蓄えきれなくなった脂肪や糖質が血液にあふれ出ます
内臓から血液にあふれ出た脂質は、門脈を通って肝臓にたどり着きます。
肝臓は中性脂肪やコレステロールを作っているのでそこに、脂質がたくさん流入すると 更にたくさんのコレステロールが作られて高脂血症になりやすくなります。

一方で皮下脂肪は、細胞内に蓄えられた脂肪の量も少なく、血中にあふれ出ることも少なく、アディポカインもほとんど産生しません。そのため、直接病気に結びつくことは少ないです。
 
しかし、内臓脂肪は悪いことばかりではありません。
運動により分解されやすいのは皮下脂肪ではなく内臓脂肪のほうです。運動の効果が出やすいので頑張りがいがありますね!

先ほども書きましたが、内臓脂肪は細胞の数が少ないので、運動することで脂肪細胞も一緒にスリムになり肥大した細胞は小さくなります。
皮下脂肪はもともと細胞数が多いので、一度増えた細胞数を減らすのはなかなか大変です。
 
そして先ほど少し触れた、脂肪組織から産生されるアディポカインについて少し書きます。
アディポカインは、脂肪組織が分泌するホルモン様の物質で全身の多くの臓器に働きかかけてさまざまな作用を発揮します。

昔は脂肪組織が何かを産生しているなんて、考えられていませんでした。
1990年代に網羅的遺伝子解析が行われて、脂肪組織にはタンパク質を分泌する遺伝子が数多く含まれていることがわかりました。
 次々と新しいアディポカインが同定され、総称してアディポカインと呼ばれるようになり、現在600種類にも及んでいます。

アディポカインは様々な機能があると書きましたが、具体的には
*食欲のコントロール  *インスリン感受性 インスリンの分泌 
*糖代謝 脂質代謝   *血管内皮細胞の増殖と機能
*動脈硬化       *血圧のコントロール
*免疫反応       *炎症反応


現在同定されている約600種類以上のアディポカインが、それぞれ特有な機能をいくつか発揮しています。数も多くあまりに多種多様です
その中で、特に注目されているのが、アディポカインと肥満、糖尿病、動脈硬化との関連です。


次回はそのことについて少し詳しく書きたいと思います。


 
 

2018-04-09 18:30:10

今月の料理

今月の料理

トマトの旬といえば夏というイメージがありますが、栃木のトマトは早春の今が最盛期です。今月はトマトを使った料理を紹介します。

フルーツトマトとオレンジのサラダ

材料(2人分)
レタス・・・・・・・・2枚
フルーツトマト・・60g
オレンジ・・・・・・150g
 

<ドレッシング>
レモン汁・・・・・大さじ1
オリーブ油・・・大さじ1/2
塩・・・・・・・・・・小さじ1/4
砂糖・・・・・・・・小さじ1/2
黒コショウ・・・・少々
栄養成分値
<1人分>
エネルギー:75Kcal
炭水化物:11.9g
たんぱく質:1.3g
脂質:3.2g
塩分:0.8g
作り方
 
1:フルーツトマトは一口大に切り、オレンジは皮と薄皮をむいて一口大にほぐします。
2:ボウルにドレッシングの材料を入れて混ぜ合わせ、①を入れて和えます。
3:器に食べやすい大きさにちぎったレタスを下に敷き、上に②を盛りつけて完成。
   

トマトスープのロールキャベツ

材料(2人分)
キャベツ・・・・・・4枚
合いびき肉・・・200g
玉ねぎ・・・・・・・1/4個
塩・・・・・・・・・・小さじ1/4
パン粉・・・・・・・5g
卵・・・・・・・・・・・1/2個
 
トマト・・・・・・・1/2個
水・・・・・・・・・・400㏄
コンソメ・・・・・・1個
バター・・・・・・・10g
塩・・・・・・・・・・小さじ1/2
黒コショウ・・・・・少々
栄養成分値
<1人分>
エネルギー:306Kcal
炭水化物:9.9g
たんぱく質:20.9g
脂質:19.7g
塩分:3.4g
作り方
 
1:キャベツは使う枚数だけ葉をはぎ取り、鍋で茹でます。
2:玉ねぎをみじん切りにしてボウルに合いびき肉、玉ねぎ、塩、パン粉、卵を入れて混ぜ合わせ、4つに分けて俵型に丸めておきます。
3:キャベツは芯を手前にして広げ、②を乗せて包み、爪楊枝でとめます。
4:トマトは1㎝の角切りにしておきます。
5:鍋に③を並べ、④のトマトを全体に散らし、水、コンソメ、バター、塩を入れて中火にかけます。煮立ったら弱火にして落し蓋をしながら20~25分煮込みます。
6:器に盛りつけ上に黒コショウをかけて完成。


栃木のトマト
栃木県のトマト生産量は全国第6位で、代表的な作物の一つです。
大玉の品種のほかにもフルーツトマトやミニトマトも生産されています。
トマトには6月から10月が収穫時期の「夏秋トマト」と11月から6月が収穫時期の「冬春トマト」の2種類ありますが、栃木では「冬春トマト」の生産が主で2月から5月に最盛期を迎えます。

2018-03-29 13:52:18

LDLコレステロールの治療薬 スタチンについて

LDLコレステロールの治療 スタチンについて

糖尿病療養指導士 中村郁恵
 
薬物療法について
LDLコレステロールを下げる第一選択薬は、動脈硬化予防のエビデンスが最も豊富な
「スタチン」です。
とてもポピュラーなお薬で、2015年世界の大型医薬品売上高ランキング12位にストロングスタチンであるクレストールがランクインしています。
クレストール(ロスバスタチン)の処方量は国によっても違いがあり、日本では2.5mg~5mg最大10mgまで、アメリカでは 中等度で20mg、多い人では40mg処方されています。
 
スタチンの強さ
スタチンは「強さ」によって、
スタンダードスタチン」と「ストロングスタチン」に分類されます。
スタンダードスタチン間、ストロングスタチン間のLDLコレステロールを下げる「強さ」に大差はないとされています。
 強さ
 
一般名
 
商品名
 
スタンダード   
 
プラバスタチンナトリウム
 
メバロチン
 
シンバスタチン
 
リポバス
 
フルバスタチンナトリウム
 
ローコール
 
ストロング   
 
アトルバスタチンカルシウム
 
リピトール
 
ピタバスタチンカルシウム
 
リバロ
 
ロスバスタチンカルシウム
 
クレストール ロスバスタチン
 
 
作用機序(HMG-CoA還元酵素阻害)
 
肝臓では食事などからとったアセチルCoAが材料となり一日に約1~1.5gのコレステロールが作られます。
これは、食事からとるコレステロールの約5倍の量なので体内で作られるほうが多いですね!

作用機序を説明していきます。図を参照してください。

 
途中、省略しながらコレステロールが作られるまでを書いていきます。
アセチルCoAHMG-CoAとなり、HMG-CoAHMG-CoA還元酵素が作用するとメバロン酸となりコレステロールができます。
そして、コレステロールを材料として胆汁酸が作られます。
 
スタチンの作用機序は、体内のコレステロールの合成経路の「HMG-CoA還元酵素」を阻害することで肝臓でのコレステロールの合成を抑えます。
スタチン=「肝臓でのコレステロールの合成阻害
と思われがちですが、実際は
血中から肝臓へのLDLコレステロール取り込みを促進させて、血中LDLコレステロールを減らすこと」です。
 
★もう少し詳しく書きます。簡単な図で示します。


 
①   HMG-CoA還元酵素を阻害して肝細胞内でLDLコレステロール減少させる
          ↓

②   肝細胞内でLDLコレステロールのストックが減るため、肝臓の細胞表面でLDL受容体を増加させる
          ↓

③   LDL受容体が多くなり、血液中から肝臓へコレステロールの取り込みが促進される
          ↓

④   血中のLDLコレステロールが低下する
 
つまりHMG-CoA還元酵素の働きを邪魔して、間接的にLDL受容体の数を増やして血液中のコレステロールを減らします。
 

副作用は多い順に筋肉痛、肝機能の上昇、クレアチニンキナーゼの上昇です。
ごくまれに横紋筋融解症があるともいわれています。
どれも内服をやめることで回復します
 
    きちんと内服することで
お薬の作用が分かったところで、それをきちんと飲むことはとても大切です。
富山大学での脂質異常者に対する服薬率の研究で「服薬尊守が10%高くなるにつれ、心筋梗塞などの心血管イベントを10%抑制することができる」という結果が得られました。
薬をちゃんと飲んでいない人が100人いたら、きちんと内服するだけで10人の命が助かるというのは、とても意味のあることですね。
 
生活習慣病は特に痛みなどが症状として現れないために、内服することを忘れてしまったり、お薬=良くないものという週刊誌などの根拠のない報道で混乱してしまいますよね。
 
どの薬も、作用(ベネフィット)と副作用(リスク)があり、バランスを考えながら処方されています。決められた使い方と使う量をきちんと守ることによって最大限のベネフィットを得ることができます。
そのためには、自分の飲んでいるお薬のことを知り、疑問に思うことがあったら気軽に質問してくださいね。
 
 
 
 
 
 
 
 

2018-03-22 15:36:57

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